車重1500kg、最高出力620psの軽量V6スーパーカー 新型アルファ・ロメオ33ストラダーレ、歴史的名車が復活

公開 : 2023.09.01 06:25

1960年代の伝説的なレーシングカー、33ストラダーレが現代に復活。空力と美しさを追求した高貴なイタリアン・スーパーカーであり、3.0L V6モデルとBEVモデルが選択可能。最終世代の内燃エンジン車となります。

最終世代の内燃スーパーカー 33台限定

アルファ・ロメオが満を持して発表した新型33ストラダーレが、同社最後の純内燃エンジン搭載スーパーカーとなることが明らかになった。

新型33ストラダーレは2021年から開発が進められてきた限定生産車であり、1960年代の同名のレーシングカーにインスピレーションを得たデザインとなっている。パワートレインは3.0L V6ガソリンエンジンまたはバッテリーEVから選択できる。

ステージで披露されるアルファ・ロメオ33ストラダーレ
ステージで披露されるアルファ・ロメオ33ストラダーレ    AUTOCAR

49人のエンジニアチームによって開発され、アルファ・ロメオの特注車シリーズ「フォリセリエ」の第1弾とされる。このフォリセリエ・シリーズは、同社の伝統に敬意を表しながらブランドの魅力を最大限に表現するべくデザインされる。例えば、33ストラダーレはオリジナル車の特徴に忠実であると言われている。

その車名にちなみ、わずか33台しか生産されない。いずれも「クルマの歴史と象徴性」を尊重する特別な顧客に割り当てられ、2022年のF1モンツァGPで顧客候補に初めてデザインスケッチが公開されてから数週間で完売したという。2024年12月17日から納車を開始し、2026年までにすべての顧客のもとへ届けられる予定だ。

価格は300万ユーロ(約4億7500万円)からとされ、アルファ・ロメオで最も高価なモデルとなった。購入希望者は、最高出力750psのバッテリーEVモデルか、最高出力620psの3.0L V6ツインターボをミドマウントした内燃エンジンモデルから選ぶことができる。現時点では、10台のV6モデルと2台のEVモデルの注文が確定しており、残りは未定だという。

V6モデルは約1500kg 軽量化に尽力

バッテリーEVパワートレインはアルファ・ロメオの市販モデルとして初めて採用されるもので、欧州WLTPサイクルで450kmの航続距離を達成するという。バッテリー容量についてはまだ確認されていない。室内では独自の合成サウンドを奏でるとのこと。

兄弟ブランドであるマセラティの新型グラントゥーリズモ・フォルゴーレと同じ、3モーター四輪駆動システムを採用している。V6が用意される点もグラントゥーリズモと同じである。

ステージで披露されるアルファ・ロメオ33ストラダーレ
ステージで披露されるアルファ・ロメオ33ストラダーレ    AUTOCAR

V6は、ジュリアおよびステルヴィオのクアドリフォリオ仕様に搭載される2.9L V6の改良型だが、ボアアップされて3.0Lとなり、出力も約100psアップした。駆動方式は後輪駆動で、ZF製8速DCTを採用。MTの設定はない。車重は約1500kg。

V6モデルの33ストラダーレは、0-100km/h加速3秒以下、最高速度333km/hを謳う。アルファ・ロメオのプロダクトマネージャー、ダニエル・グッツァファメ副社長によれば、EVモデルの0-100km/h加速は「2.5秒以下」だという。

走行モードは「ストラーダ」と「ピスタ」の2種類が設定される。ストラーダを選ぶとスロットルレスポンスが鈍くなり、サスペンション(前後ダブルウィッシュボーン)が柔らかくなり、V6モデルでは5000rpmまで排気バルブが開かないなど、快適性重視のモードとなる。一方、ピスタの場合はスロットルレスポンスが鋭くなり、サスペンションが硬くなり、排気バルブが常に開いた状態となるなど、スポーツ走行向けのモードである。

公道でもサーキットでも、アルファ・ロメオが自社開発した「セミバーチャル」と表現される四輪ステアリングシステムが操縦性を助ける。同社によれば、精度を高め、荒れた路面をフィルタリングして乗員に快適な乗り心地を提供するという。

ブレーキとしては、フロントに6ピストン、リアに4ポットのブレンボのカーボンセラミック製ベンチレーテッドを装備する。

重量を抑えるため、33ストラダーレのモノコックシャシーはカーボンファイバー製、ボディフレームはアルミニウム製となっている。ウィンドウフレームもカーボンファイバー製で、バタフライドアには軽量ドアヒンジが使われている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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