車重1500kg、最高出力620psの軽量V6スーパーカー 新型アルファ・ロメオ33ストラダーレ、歴史的名車が復活

公開 : 2023.09.01 06:25

エアロダイナミクスと美の追求

アルファ・ロメオのジャン・フィリップ・インパラートCEOは次のように語っている。

「新型33ストラダーレでは、過去に恥じないものを作り、ブランドに貢献し、アルファ・ロメオのファンが誇りに思うものにしたかった。このような結果が得られたのは、開発チームの専門知識、努力、情熱の賜物です。このクルマは、1969年以来初めての “フォリセリエ(fuoriserie)” であり、これが最後になることはないとお約束します」

ステージで披露されるアルファ・ロメオ33ストラダーレ
ステージで披露されるアルファ・ロメオ33ストラダーレ    AUTOCAR

デザインにおいて、アルファ・ロメオは1967年から1969年にかけて生産されたオリジナルの33ストラダーレのプロポーションを可能な限り忠実に再現しようと試みた。フロントには「スクデット」と呼ばれるおなじみのV字型グリルを採用し、全体的なプロファイルはエアロダイナミクスと「必要な美しさ」のために最適化されているという。

ヘッドライトと一体化したエアインテークや、サイドインテークに空気を導くリアスポイラーなど、随所に空気の流れを意識したデザインが見て取れる。

グッツァファメ副社長は、新しいV字型グリル、楕円形のボンネット、ヘッドライトのLEDラインなどは今後の市販車にも引き継がれると述べた。

航空機をイメージしたインテリア

インテリアにもアルミニウムやカーボンファイバーなどの軽量素材が採用され、アルカンターラの多用によりスーパーカーとしての性格を強調している。

インパラートCEOは以前AUTOCARの取材に対し、アルファ・ロメオのインテリアは「ドライバー中心」であると語っていた。それを実証するかのように、33ストラダーレではセンターコンソールにボタン類をほとんど配置せず、3Dヘッドアップディスプレイ(業界初と言われる)がメインのデジタルインターフェイスとして機能することで、ドライバーの集中力をできるだけそらすことのないように配慮している。

ステージで披露されるアルファ・ロメオ33ストラダーレ
ステージで披露されるアルファ・ロメオ33ストラダーレ    AUTOCAR

ステアリングホイールにもボタン類が一切なく、一部の物理コントロールはドライバー頭上の天井に取り付けられている。アルファ・ロメオによると、これは航空機のコックピットのように感じさせるための配置だという。

一方、シートはオリジナルの33ストラダーレのものをイメージしている。

仕様は「トリブート」と「アルファ・コルセ」の2種類で、ボディカラーはブルー、レッド、そしてオリジナル車のデザインをオマージュしたホワイト&レッドの計3色が用意される。

アルファ・ロメオは、「1967年の33ストラダーレの美的・技術的伝統を維持しつつ、特別で魅力的な環境を創り出すために、あらゆるディテールがデザインされています」と述べている。

購入者によるカスタマイズの幅は広く、車両識別番号(VIN)の下8桁を選択することもできる。さらに、グリル、リアのバッジ、エアインテークも変更可能だ。

生産は、フェラーリ166 MMバルケッタアストン マーティンDB5、マセラティ3500 GTを手がけたイタリアのコーチビルダー、カロッツェリア・トゥーリング・スーペルレッジェーラが担当する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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