向かうところ敵なしのオフローダー ウニモグUHEへ試乗 理解すれば価格も納得 前編

公開 : 2023.09.10 08:25  更新 : 2023.09.10 13:48

480mmの最低地上高にしなやかなシャシー

左右のタイヤの間隔、トレッドは畑のウネの幅に合わせられ、耕作地への乗り入れも問題なし。キャビンの後方には荷台が備わり、沢山の作物を運べた。

エンジンの最高出力は25psあり、50km/hで走行可能。リアにはトレーラーを追加でき、農機具へ電気を送るソケットも備わった。

ウニモグUHE エクストリーム・オフロード(欧州仕様)
ウニモグUHE エクストリーム・オフロード(欧州仕様)

その70200が備えていた特徴は、現在へ受け継がれている。最新版でもフロント側へエンジンが載り、四輪駆動システムとポータルアクスルを装備。プロペラシャフトはトルクチューブ内に収まり、堅牢性を高めている。

時代の変化とともに洗練度は増し、サイズも必要に合わせて成長している。トランスミッションには、前後ともに8段のギアが備わる。フロントとセンター、リアの3か所にロックデフが組まれ、走破性も向上している。

ポータルアクスル内でギア比を落とせるため、デフを小さくでき、最低地上高は480mmもある。これは、ジープラングラーの約2倍。油圧システムの配管や電気の配線は、アクスルチューブの上部を縫い、ダメージを受けにくい。

ウニモグの最大の特徴が、柔軟性。トルクチューブを中心にしなやかなシャシーレールが縦方向へ2本並び、ホイールの可動域を大きくしつつ、安定性を高めている。

キャビンや荷台などは、シャシーレールの中央付近で支えられている。そのためタイヤや荷台へ強い負荷が掛かっても、お互いに影響を受けにくい。

ウニモグは、山岳部の消防車として活躍することもある。4000Lの消火用水を運ぶ場面でも、この構造は役に立つそうだ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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