パガーニ・ウアイラ
公開 : 2012.07.07 19:00
■どんなクルマ?
ウアイラは、1999年に登場してわれわれのハートを鷲掴みにした伝説的なパガーニの後継となるスーパーカーだ。また、このウアイラは、2005年に57人のスタッフではじめられた、南アフリカからの温かい風を意味する”ウァイラウ”プロジェクトの、7年にわたる成果でもある。
その心臓部にはAMGによってパガーニのために特別生産されるAMG製の6.0リッター・ツイン・ターボのV12が搭載され、リア・ホイールを駆動する。おそらく、世界最速で、最も先進的で、そして最もエクスクルーシブなスーパーカーの1台だ。
今年は20台がモデナの小さな工場で生産される。2013年からはその台数が40台となる。というのも、今までの工場から角をまがった場所に、新しいそれまでの5倍のサイズの工場が建設されたからだ。
■どんな感じ?
実際に実物を眺めると、ウアイラはあらゆる角度から見てもハッとするほど美しい。そして、そのクルマをドライブすることは本当にエキサイティングなことだ。
ハイライトは、その馬鹿げたような加速、驚くべきトラクション、素晴らしいステアリング、そして効きの良いブレーキだ。そしてミッド・コーナーでのグリップは、ヴェイロン以上である。
しかし、実際のウアイラのドライブは何一つとしてヴェイロンには似ていない。あらゆる局面で、ブガッティよりも激しいクルマなのだ。より騒々しいし、より刺々しくもあり、何よりも機敏で、路上で簡単にエキサイティングになれるクルマである。
ESPとTCシステムのスイッチをオフにする前に、730bhpのパワーがどのぐらいで、102.0kg-mを2250rpmから4500rpmまでフラットに発生するトルクが、あなたの右足のコントロール下にあり、それがどれだけ鋭いものかということを理解しておく必要がある。更に、そのパワーだけがウアイラを過激にしているのではないということも知っておかなければらならない。それは車両重量だ。その1350kgという重さはヴェイロン級というよりは、どちらかと言えばケーターハム・セブン級と言えるものなのだ。その上、ウアイラが4輪ドライブではなくリア・ホイール・モデルであるということも、それに加わる。
これらを全て理解した上でなら、ESPとTCシステムのスイッチをオフにして、その走りを味わうことができるのだ。快適性ということだけを取り払ったスーパーな世界がそこには存在する。但し、雨が降り始めたら、決してこれらのセーフティ・システムをオフにすることは考えてはいけない。
ウアイラで特筆されるのが、そのトランスミッションにある。現在、ほとんどのスーパーカーがデュアル・クラッチになる傾向の中、ウアイラはロボタイズ・オートのシングル・クラッチを選んだことだ。ギアボックス自体は、バークシャーにベースを置くXトラック製のものだが、パガーニがそれを選んだのには2つの理由がある。ひとつは80〜90kgというデュアル・クラッチよりも少ない重さ。そしてもうひとつが、DSGよりも遥かにコンパクトだということだ。そして、そのシフト・クオリティは衝撃的に良い。
ウアイラには、どんな衝撃的な写真であってもその素晴らしさを伝えることができないろう、という賛辞の言葉を送りたい。
■「買い」か?
ウアイラは666,000ポンド(8,220万円)という価格が付けられている。その価値があるのだろうか。
イエスだ。
ブガッティ・ヴェイロンと並ぶ、最もエグゼクティブで、もっともスタイルが良く、運転していて愉しいスーパーカーだからだ。もし、注文をするのなら早くしたほうが良い。マクラーレンの4倍ものコストをとっているにもかかわらず、そのオーダーブックは3年半後まで埋まっているというのだから。
(スティーブ・サトクリフ)
パガーニ・ウアイラ
価格 | 666,000ポンド(8,220万円) |
最高速度 | 370km/h |
0-100km/h加速 | 3.2秒 |
燃費 | NA |
Co2排出量 | NA |
乾燥重量 | 1350kg |
エンジン | V12 5980cc ツインターボ |
最高出力 | 730bhp/5000rpm |
最大トルク | 102.0kg-m/2250rpm-4500rpm |
ギアボックス | 7速ロボタイズド・オートマティック |