マツダ・アクセラ スポーツXD(6AT)&ハイブリッド

公開 : 2013.12.26 17:49  更新 : 2017.05.29 19:13

新型アクセラはハイブリでも「ハイブリらしくない=他の純エンジン車グレードと同等の、マツダが目指すリニアリティを追求」するのが目標だったそうで、数字上の高出力化でなく、その味つけが最大のウデの見せどころ。その加速特性はたしかに良くも悪くも直線的。電気動力感をことさら主張するわけではなく、素直である。「まずはひとつの味を突き詰める」と、スポーツモードやエコモードのような切り替え機構も用意しない。総合的な走りは2.0ℓよりマイルドだが1.5ℓよりは活発。かったるい燃費特化モードなしで、プリウス通常モデルを超える30.8km/ℓというモード燃費を達成したことは評価されるべき。

ハイブリの操縦性や静粛性もまあ悪くないデキではある。ただ、かなり入念に開発したというブレーキはプリウスよりはリニアだが、停止直前に制動力が不自然に立ち上がるクセが完全に払拭しきれてはおらず、このあたりはホンダに一日の長がある。これはプリウス用の既存ハードウェアの限界か。また、操縦性にも特筆するほどの欠点はないものの、背後に重量物を背負った感が明確なロール感もなくはない。パワートレインに乗り手を惑わすモード切り替えをもたせないのはひとつの見識としても、新型アクセラのキャラからすると、エンブレの強さを任意に選べる疑似パドルシフトがあれば山道での印象はかなりプラスになったはずなのに……と思ったのも事実である。

なんとなくハイブリの欠点ばかりをあげつらってしまったが、それはその他の純エンジンモデルのデキがいいことの裏返しでもある。日本市場ではハイブリが4~5割か、というのがマツダの予想だが、こと本誌を読んでいただいているようなエンスージアストにはハイブリ以外を推奨したい。新型アクセラ本来の姿は間違いなくこちらにあるからである。

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