マツダCX-5 XD Lパッケージ(4WD)&25S Lパッケージ(2WD)
公開 : 2014.10.21 19:20 更新 : 2017.05.29 19:13
また、低速走行時の衝突被害をブレーキの自動制御で軽減する話題の「スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)」を全車標準装備したほか、新仕様のリヤダンパーの採用や、A/Tシフトレバーのデザイン変更も新しい箇所だ。
並べてみれば、これぐらいでニュースになるのかといわれそうだが、一部改良後のCX-5は、「おおお、確かに変わった」と誰もが思うイイモノ感ある仕上がりをみせる。アテンザにも搭載される2.5ℓガソリンエンジンは、直4ながら静かでスムーズ。「実は6気筒なんだよね」と言われても、信じる人が続出だろう。2ℓエンジンの1〜3速で感じられたトルクの物足りなさもなく、これに比べてしまえば、あのディーゼルでさえ実はやはり十分うるさいものだったと気づく。ディーゼルの燃費や、あのトルク感を指名買いするなら別だが、洗練されたガソリンエンジンで街乗りを快適に楽しみたいという向きには、これだベストだろう。正直、今まで「CX-5には2.2ℓディーゼル」と決めていたが、その決心もかなり揺らぐ。
しかしそれ以上に「今度のCX-5はかなり良くなったよ」とツイートしたくなるところがある。ダンパーの変更(とそれに伴うスタビ径とブッシュの見直し)だ。ウェブサイトのプレスリリースでは「新仕様のリヤダンパーの採用によって上質な乗り心地を実現」と、たったこれだけしか触れられていないのだが、新旧の比較では誰もが走りの違いを実感するはずだ。
「人間が不快に思う周波数振動を徹底的に抑え、自然に感じられる減衰感を追求したうえで開発された新しいダンパー」(操安性開発部・中村聡)は、太さや容量などの変更ではなく、わずかひとつ、新開発されたチェックバルブの採用によってもたらされている。わずかひとつと言ったが、その開発には、膨大な時間と労力が費やされているので、馬鹿にはできない。多分これは、エンジニアの意地とこだわりの産物だ。こうした開発馬鹿がいるからこそ、マツダのクルマは「最近ちょっと走りが良くて面白いよね」と言われるようになってきているのだと思う。