BMW、次世代EV世界初公開 「これまでにないBMW」目指したノイエ・クラッセの姿 IAAモビリティ2023

公開 : 2023.09.04 18:05

・BMWが次世代EVコンセプト「ビジョン・ノイエ・クラッセ」初公開
・「過去のしがらみ」から抜け出したという新デザインを提唱
・今後2年間で6車種のノイエ・クラッセEV群を発売予定

次世代EVのデザイン予告 まったく新しい製品群へ

BMWは9月2日、ドイツ・ミュンヘンで開幕の国際モーターショー「IAAモビリティ2023」において、次世代EVコンセプト「ビジョン・ノイエ・クラッセ(Vision Neue Klasse)」を発表した。

ビジョン・ノイエ・クラッセは、電動化時代におけるBMWの内外装デザインの方向性や、先進的なドライブトレイン技術の導入を予告するものである。BMWは2023年末までに各主要市場セグメントでEVを投入し、2025年までに世界販売台数の4分の1以上、その翌年には3分の1をEVとすることを目指している。

IAAモビリティ2023で公開されたBMWビジョン・ノイエ・クラッセ
IAAモビリティ2023で公開されたBMWビジョン・ノイエ・クラッセ    AUTOCAR

BMWは現在SUVやセダンの電動モデルを展開しているが、これからは新しい先鋭的なファミリーの立ち上げに焦点を移そうとしている。今回のコンセプトカーは、1960年代に同社が発売した高級セダンおよびクーペのブランド名「ノイエ・クラッセ(Vision Neue Klasse)」にちなんで命名された。英語表記では「New Class」、つまり「新しいクラス」の誕生を告げるものだ。

BMWは、今後2年間で6車種のノイエ・クラッセEVを発売する予定だが、ターゲットとするセグメントが多岐にわたるため、全車種が同じプラットフォームをベースとするわけではない。同社のオリバー・ジプセCEOは「SUVからセダンまで、すべてのお客様に提供します」と宣言した。

その第1弾は、テスラモデル3ヒョンデ・アイオニックニク6の直接的なライバルとなる、3シリーズと同サイズのセダンになるという。ジプセCEOは、ビジョン・ノイエ・クラッセは市販車を直接予告するものではないと述べているが、大きな影響を与えていることは間違いない。

これまでに経験したことのないようなBMW

ノイエ・クラッセは、BMWの現在のEVとはほとんど無関係である。これまでに確立された特徴を取り去り、新時代のために再解釈したまったく新しいデザイン処理によって、技術革命を示している。

ジプセCEOはノイエ・クラッセの登場を、自動車開発へのまったく新しいアプローチにほかならないと表現している。「モビリティとは、自由、自己決定、経済的繁栄のためのポジティブな要素です。人々は進歩を望んでいますが、そこにはマイナス面もあることを認識しています」

IAAモビリティ2023で公開されたBMWビジョン・ノイエ・クラッセ
IAAモビリティ2023で公開されたBMWビジョン・ノイエ・クラッセ    AUTOCAR

「あらゆる影響が残した足跡は、解決されなければなりません。それを重荷と考える人もいるかもしれませんが、わたしは最大のチャンスだと考えています。イノベーションはモビリティをより持続可能なものにし、それこそがBMWに明るい未来をもたらすのです」

ジプセCEOは、ノイエ・クラッセは「これまで経験したことのないようなBMW」になるとし、「BMWは自分たちのルーツから遠ざかるつもりはありませんが、過去のしがらみから解放されました。わたし達は一歩を踏み出す勇気を持ったのです」と述べている。

BMWのデザインは印象的であると同時にある程度偏向的でなければならない、という信念を公言するデザインディレクターのドマゴイ・ドゥケック氏は、このアプローチの変化は同社にとって大きな変革をもたらすと述べている。「ノイエ・クラッセの発表により、BMWブランドはこれまでとは異なるブランドになると信じています。ノイエ・クラッセは多くのことをこれまでと異なる方法で行いますが、いくつかのことは変わらないということをお約束します」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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