VWの「GTI」ついに電動化 スポーツEVコンセプト「ID.GTI」初公開 2027年発売へ
公開 : 2023.09.04 19:45
・次期フォルクスワーゲンID.2の高性能モデルとして2027年発売予定
・EVとして初めて「GTI」の名を継承、その重要性は?
・デザイナーは「愛されるブランド」を目指して開発
「GTI」の名称は前輪駆動のみに採用
フォルクスワーゲンは、9月2日にドイツ・ミュンヘンで開幕した国際モーターショー「IAAモビリティ」において、新しい高性能EVコンセプト「ID.GTI」を発表した。
ID.GTIコンセプトは電気モーターをフロントに搭載した前輪駆動モデルで、専用チューニングのスポーツサスペンションを装備している。次期ID.2のGTIバージョンと見られており、市販化が実現すれば「GTI」の名を冠する初のEVとなる。
フォルクスワーゲンのCEOであるトーマス・シェーファー氏は「EV攻勢の一環として、すでに量産が決定しています。スポーティで、技術的に先進的で、親しみやすいモデルであることに変わりはありませんが、未来の世界に向けて新たな解釈が加えられています。エレクトリカルで、完全にコネクテッドで、極めてエモーショナルです」
シェーファーCEOは、ID.GTIの市販モデルは2026年に公開され、2027年初頭に発売予定であると述べた。
フォルクスワーゲンの高性能EVには約2年前から「GTX」という新しい名称が使われているが、シェーファーCEOは以前、長年親しまれてきたGTIの名称を残していく方針を示していた。ID.GTIは、そのコミットメントを具体化したコンセプトカーと言える。
これまでと同様、GTIの名称は前輪駆動の高性能モデルにのみ適用される予定だ。フォルクスワーゲンによると、GTXの名称は引き続き四輪駆動のスポーツモデルに使用され、「R」の名称は最もパワフルなEVにのみ使用されるという。
足回りも引き締めたEVホットハッチ
ID.GTIは、既存のMEBを短縮した「MEBエントリー」と呼ばれるプラットフォームをベースとしている。フロントマウントの電気モーターと「大容量」を謳うバッテリー(おそらくID.2と同じ56kWhバッテリー)が搭載される。
性能などの仕様詳細はまだ公表されていないが、ID.GTIは最高出力230ps、0-100km/h加速6.9秒、航続距離440kmという兄弟ブランドのクプラ・ラヴァルとの関連性が深い。アバルト500e、アルピーヌA290、ミニ・クーパー・エレクトリックといったホットハッチのライバルに対して有利に立てる性能だ。
ID.GTIのスタイリングは、初代ゴルフのシンプルなジウジアーロ・デザインにインスパイアされている。古典的なタッチを数多く取り入れたデザインには、最も敬愛されるモデルの伝統を守ろうというフォルスクワーゲンの意思が表れている。
エアカーテンが強調されたフロントバンパー、縦型LEDデイタイム・ランニング・ライトなどが特徴的。下部にはハニカム状のディテールが施されたブラックのエアダクトと、レッドカラーの牽引フックが配置されている。
「VW」のエンブレムはホワイトにライトアップされ、夜間に印象的な外観を演出する。8本のダブルスポークデザインの20インチホイールをクリアするため、オーバフェンダーが装着されている。
リアには、ダウンフォースと高速安定性を向上させる大型スポイラーが装備され、3Dライトグラフィック、赤くライトアップされたエンブレム、GTIのグラフィック、ブラックのバンパーが特徴的だ。
車高を15mm下げることでスポーティ性を高めているが、市販車でもハードなサスペンション・セットアップの設定が予想される。
画像 未来のフォルクスワーゲンGTI見参!【ID.GTIコンセプトと、市販車のベースとなるであろうID.2allを写真で比較】 全26枚