SUVの車格とミニバン並の広さを誇る新型EV ルノー「セニック」初公開 新時代のファミリーカー目指す

公開 : 2023.09.05 06:05  更新 : 2023.09.05 16:13

・欧州ミニバンの代名詞「セニック」が電動SUVとして生まれ変わる。
・ファミリーカーとしての実用性と安全性に重点を置く。
・リサイクル素材を多用した持続可能なクルマ作りを目指す。

新しい形のファミリーカー

ルノーは9月4日、ドイツ・ミュンヘンで開幕した国際モーターショー「IAAモビリティ2023」において、新型電動SUVのセニックEテック・エレクトリックを公開した。SUVのスタイルとミニバンに匹敵する室内空間を併せ持つ「新しい形のファミリーカー」を目指したと、開発者は語っている。

新型セニックEテック・エレクトリックは、ルノーのEVラインナップの中でメガーヌEテック・エレクトリックの上に位置するミドルクラスSUVである。1996年から2022年まで「セニック」の名を受け継いできたミニバンとは大きく異なるモデルだが、家族中心の価値観(特に室内空間の最大化と安全性に重点)は受け継がれているという。

IAAモビリティ2023で公開されたルノー・セニックEテック・エレクトリック
IAAモビリティ2023で公開されたルノー・セニックEテック・エレクトリック    AUTOCAR

メガーヌや日産アリアにも採用されているCMF-EVプラットフォームをベースとし、ホイールベースと全高という2つのポイントを中心に設計された。

エクステリアデザインは昨年公開されたコンセプトモデルに近く、曲線的なボディワークとシャープなキャラクターライン、そして「ハイテク」な印象を与えるデザイン要素をミックスした、ルノーの新しい「ビジュアル言語」を採用している。

ダイヤモンドをモチーフにしたパネルに縦長のブランドエンブレムが置かれ、左右にはメガーヌと同様のデイタイムランニングライトが配されている。

ボディサイズは全長4470mm、全高1571mm、ホイールベース2780mm。アリアよりわずかに短いが、ホイールベースは比較的長いため室内空間が広く、レッグルーム278mm、後席ヘッドルーム884mmとされている。

12.3インチのデジタル・ドライバー・ディスプレイと12.0インチの縦型センタータッチスクリーンが備わり、グーグルベースのインフォテインメント・システム「OpenR Link」を搭載する。

ファミリーカーらしく、室内にはフロントの大型オープンセンターコンソールをはじめ、多数の収納スペースが設けられている。後部の折り畳み式センターアームレストには、2つのカップホルダー、2台のスマートフォンまたは1台のタブレットを収納できるスタンド、2つのUSBポートが内蔵されている。ラゲッジスペースは545Lあり、リアシートを畳むと1670Lまで拡大できる。

サンゴバン社と共同開発した「ソーラーベイ」パノラマルーフもオプションで設定される。PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystals:高分子分散型液晶)と電界を利用しており、スイッチ1つで透明・透明度を変更できるほか、場所に応じて異なるレベルの光量を得ることができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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