トヨタ「センチュリー」にSUV登場 日本の最高級車に追加ボディ 56年の歴史で初
公開 : 2023.09.06 14:07 更新 : 2023.09.06 22:10
トヨタが「センチュリー」のSUV仕様を発表。日本の最高級車が、グローバルの高級SUV市場を狙うのでしょうか? 56年の歩みと共に検証します。
現行型に追加 全高300mmアップ
トヨタが、センチュリーのSUVモデルとなる新型「センチュリー」を初公開した。
これまでセダン型だけだった現行モデルに、新しいボディタイプが加わる形だ。
英ロールス・ロイスに代表される超高級車メーカーは近年、世界的に人気の高いSUVボディのクルマを投入してきた。日本の最高級車センチュリーもその流れに乗ろうとしている。
センチュリーSUVのボディサイズは、全長5205×全幅1990×全高1805mm。セダン型に比べて全高300mmがアップ。全長は短くなり、車幅はワイドになっている。
パワートレインは3.5L V6のプラグインハイブリッドを採用。セダンと異なる方式をとっている。
価格は2500万円。
リアドアは、通常のヒンジ型に加え、電動スライドドア仕様も展示。またセンチュリーGRMNという車両も発表された。
フォーマルの場にSUVが受け入れられるようになった現在。SUVボディのセンチュリーはどのようなユーザーを引き付けるのだろう。
シリーズが歩んだ56年の歴史を振り返りながら考えてみよう。
1967年 30年を生き抜いた初代誕生
1967年に発表された初代センチュリーは、1964年から販売されていたクラウンエイトの後を受けて誕生したショーファードリブンカーだ。
ただ、クラウンの派生車種として生まれたクラウンエイトに対し(サイズや日本製乗用車初のV8エンジンなどほぼ別物)、世界基準の最高級大型乗用車を目指してすべてを新規開発されている。
車名のセンチュリーとは、同車がデビューした年がトヨタの創始者である豊田佐吉の生誕100年に当たることから付けられており、その名前からも並々ならぬ決意を感じ取れるだろう。
エクステリアは日本の伝統的な美しさを表現したものとなっており、先行して登場していた日産プレジデントがアメリカナイズされたスタイルだったのとは異なる、保守的ながら重厚さを感じさせるもの。
その結果、途中で一部のリデザインはありながらも30年という異例に長いモデルライフを経ても陳腐化することなく、いまみても“らしさ”を感じさせるものとなっていたのである。
メカニズムとしては快適かつフラットな乗り心地を実現するために、国産乗用車としては初めてのエアサスペンションをフロントに採用。
エンジンは、デビュー時はクラウンエイトに採用されていたV8 2.6Lの発展型となるV8 3Lを搭載していたが、1973年には排出ガス規制に対応するタイミングで3.4Lに。さらに82年のマイナーチェンジ時には4Lにまで排気量を拡大していた。
なお、ショーファードリブンとして知られるセンチュリーではあるが、初期にはオーナードライバー向けにフロアMTを搭載したグレードも存在していた。
結局初代センチュリーは大小さまざまな改良を繰り返しながら1997年まで生産が続けられ、同年4月に30年振りのフルモデルチェンジを実施した。