学生のデザインをカタチに ポールスター・シナジー・コンセプト 3種のアイデアを融合

公開 : 2023.09.05 08:35  更新 : 2023.09.05 10:10

600名の応募から選出された3名のデザイン 走行性能と持続可能性を両立 電動ハイパーカー・コンセプト ホットホイールに?

600名の応募から選出された3名のデザイン

現在、ドイツ・ミュンヘンでは「IAAモビリティ 2023」、ミュンヘン・モーターショーが開催中。その中でスウェーデンのポールスターは、学生デザインコンテストから生まれた3種のアイデアを融合させた、電動ハイパーカー・コンセプトを発表した。

原寸大のモックアップ、デザイン検討用の模型として展示されたもので、走行性能と高度な技術的背景、持続可能性などを主なテーマに掲げている。自然もインスピレーションの源になったという。

ポールスター・シナジー・コンセプト(2023年)
ポールスター・シナジー・コンセプト(2023年)

世界各国から600名のデザインを志す学生が参加し、最終選考へ10名が選出。その中から3名の優勝者が選出された。フランスの学生2名の案がボディのスタイリングへ、中国の1名による案がインテリアへ、それぞれ展開されている。

優勝した3名は、ポールスターのデザインチームとともに6か月間のワークショップへ参加。全長4650mm、全高1070mmというシルエットを持つ、コンセプトカーのモックアップを仕上げたそうだ。

シュモクザメからもインスピレーション

スタイリングの特徴といえるのが、大きく張り出したホイールアーチや、路面へ迫るフロントスプリッター、水平に伸びるテールライトなど。ポールスターによれば、シュモクザメからもインスピレーションを受けたという。

キャビンは、スポーティなシートが1脚据えられたシングルシーター。レーシングハーネス、バイザー状のデジタルモニターがシリアスな雰囲気を生んでいる。各所に小さなサブモニターが配され、駆動用バッテリーの充電量や外気温などが表示される。

ポールスター・シナジー・コンセプト(2023年)
ポールスター・シナジー・コンセプト(2023年)

ステアリングホイールは、飛行機の操縦桿に似たヨークスタイル。そこにも、小さなモニターがレイアウトされている。

ポールスターのデザイン部門を率いるマクシミリアン・ミッソーニ氏は、次のようにコメントを寄せている。「今年のコンテストのストーリーでは、パフォーマンスだけでなく、コラボレーションも重視されました」

「チームとして優勝案を実物大のモデルにすることで、夢の現実化へ導くことができ、誇りに思います。デザインを志す学生へ、このような露出の機会が訪れることは滅多にありません」

「インスタグラム上では、ポールスター・デザイン・コミュニティが好調です。今年製作した原寸大モデルは、世界中のポールスターの拠点を巡る予定です。それによって、一層ブランドの魅力は高まるでしょう」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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