ミニ・クーパー 待望の新型、実車初公開 シンプルを突き詰めた次世代モデル 英国価格は約555万円から

公開 : 2023.09.06 06:05

・ミニの次世代EVであるクーパー・エレクトリックが実車初公開
・初代BMCミニに着想を得たシンプルな内外装デザイン
・最高出力184~218ps、航続距離305~402km。ガソリン車も登場

ミニのハッチバック 新世代EV登場

ミニは、9月2日にドイツ・ミュンヘンで開幕した国際モーターショー「IAAモビリティ2023」において、新型EVのミニ・クーパー・エレクトリックの実車を公開した。EV専用ブランドを目指し、ついに本格的なラインナップ刷新を開始した。

現行型とは異なり、新型クーパー・エレクトリックはEV専用プラットフォームをベースに開発された。このプラットフォームは、ミニの親会社BMWと長城汽車の中国合弁会社、スポットライト・オートモーティブによるものだ。内燃エンジン車も導入予定だが、こちらはまったく異なるプラットフォームを使用する。

実車公開されたミニ・クーパー・エレクトリック
実車公開されたミニ・クーパー・エレクトリック    AUTOCAR

スタイリングとしては、ミニの新しいデザイン言語である「キャラクタリック・シンプリシティ(Characteristic Simplicity)」を採用している。クリエイティブ・チーフのオリバー・ハイルマー氏が「ブランドの本質に焦点を当てている」と語るように、円形のヘッドライトや八角形のフロントグリルなど、ミニのトレードマークを基にデザインを構築している。

エクステリアにはクロームメッキが使われておらず、フェンダーのトリムも取り払われ、ドアハンドルはフラッシュ式となった。こうしたミニマルなデザイン思想はインテリアも共通で、1959年の初代BMCミニを彷彿とさせる円形ディスプレイが特徴である。

航続距離は最長402km 価格は?

ダッシュボード表面にはニットのテキスタイルが使用され、9.4インチの有機ELインフォテインメント・タッチスクリーンが搭載されている。ソフトウェアは、ミニ最新のアンドロイドベースのOS(オペレーティングシステム)である。

新型クーパー・エレクトリックには現在、2種類の仕様がある。クーパーEは最高出力184psのフロントモーターと40.7kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は305kmと謳われている。クーパーS Eは最高出力218psのモーターと54.2kWhのバッテリーを搭載し、0-100km/h加速6.7秒、航続距離は402kmとなる。いずれも、最大95kWの充電速度に対応する。

実車公開されたミニ・クーパー・エレクトリック
実車公開されたミニ・クーパー・エレクトリック    AUTOCAR

走行モードに応じてディスプレイのグラフィック表示やパワートレイン特性を切り替えるミニ・エクスペリエンス・モードが用意されており、さまざまな合成サウンドによって運転体験を補完する。

クーパーEの英国価格は3万ポンド(約555万円)から、クーパーS Eは3万4500ポンド(約640万円)からとなる。英国での納車は来年初頭に開始される予定。

一方の内燃エンジン車のミニ・クーパーは、見た目こそエレクトリックと同じだが、現行型のプラットフォームをベースにガソリンエンジンを搭載し、英国オックスフォードで生産される予定である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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