ビッグモーター ウソだらけコーティング 8万円強制「施工せず納車」 証明書偽造も

公開 : 2023.09.05 21:25  更新 : 2023.09.05 21:57

コーティング 施工証明書も偽造していた?

埼玉県内の店舗で中古車を購入したCさんもコーティングに疑問を持つ1人だ。

Cさんは契約時に他にもいろいろと担当者にウソをつかれており、「約20万円分のオプション(ドラレコやETC車載器など)を無料で付ける」と言われていたが、納車時に渡された契約書ではすべて有料になっていた。

抗議したが、「契約の時に確認してますよ?」と言われ取り合ってもらえなかったという。契約時、タブレットの画面を確認できないくらいの速度で「ここは無料ですから飛ばしますねー」と言ってさっとスクロールして見せられたことは覚えている。

タブレットだけでは不安なので見積書を印刷して欲しいといったが「紙の見積もり書は出せない」と言われた。このほかローンの契約方法にも不自然な点が多々あった。

そして納車されて1か月経過した頃、コーティングに関して「施工業者はどこか?」と尋ねると、出てきた業者名が前述のC社だった。

C社の名前が入った施工証明書が欲しいといって送られてきたが、施工業者はビッグモーター◯◯店になっていた。社印も無し。そして施工日まで違っていた。

担当者からは「施工証明書に施工業者の名前は記さないのが普通。B社の連絡先はわからない。所在地も不明だし電話番号も知らない」と驚きの回答があった。

下請け業者として出している会社なのに、所在地も連絡先もわからないなんてことがあるのか。

ビッグモーターでコーティング施工をしてもらった人の中にはきちんと施工業者名や社印が入った証明書を受け取っている人もいるというのに……。

なお、この状態では保証書としては使用できない。単にプリントしただけで誰でも作れる施工証明書だ。

社印もなく事故で外装修理をする際には保険会社に対してコーティング再施工の費用は請求はできそうにない。

架空の会社名で施工証明書が出されていた?

別の店だが西日本のビッグモーターで同じくコーティングに疑問を持ったDさんが施工証明書を求めたところ、出てきたのは何と、日付と社名「×××社」と記されてあった。もちろん社印もない。

そもそも「×××社」という社名も存在しない架空の会社名であった可能性も高いという。

取材を進めるうちに、数年前までこの店に勤めていた元社員に話を聞くことできた。

「ビッグモーターでは、店ごとにコーティングを外注する業者を決めていました。同じ店に勤めていた同僚によると、近年、担当していたコーティング業者の名前は、『×××社』という社名ではないそうです」

「また社名も全く聞いたことがないと言っていました。実際にその店の指定コーティング業者の請求書も見ましたが、もちろん×××社という会社名ではありませんでした」

コーティングに関してはほかに様々な被害報告が届いている。

・5〜6年前にビッグモーターで中古車を買ったとき、コーティングが見積もりに入っていたので、これは不要だから外して欲しいといったが無理だと言われた。では契約をキャンセルすると言ったら、キャンセル料10万円かかると言われて仕方なく契約。

・「7年持ちます」と言われたガラスコーティングを10万円以上で施工してもらったが輝きは3か月程度しか持たなかった。

・ビッグモーターの保険に切り替えてくれたらコーティング代金を無料にしてくれると言われた。これは違法行為だと思ったので聞いてみたが「そんな話は聞いたことがない。お客様へのサービスとしてやっている」との答えで驚いた。

ちなみに「コーティング必須」の状態で中古車を販売するのはビッグモーターだけではない。他の大手中古車販売会社でも採用している手法の1つだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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