歴代最強の800馬力以上 新型メルセデスAMG GT プラグインHVが披露 2+2で実用性向上
公開 : 2023.09.06 09:30
間もなく世代交代するAMG GTにプラグインHV登場 4.0L V型8気筒ツインターボ+駆動用モーター 2+2レイアウトで実用性を向上
4.0L V型8気筒ツインターボのプラグインHV
メルセデスAMGは、ミュンヘン・モーターショー「IAAモビリティ 2023」で、2代目GTのプラグイン・ハイブリッド版をお披露目した。軽いカモフラージュが施されていたものの、今後数か月以内に発売されると思われる。
展示車両のリアバンパーに充電ポートのリッドが備わることから、ハイブリッドであることがわかる。ただし、それ以外は内燃エンジン版と目立った違いはない。
ボンネット内に載るエンジンは、メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンス 4ドアクーペと同じ、4.0L V型8気筒ツインターボ。駆動用モーターと組み合わされることで、大幅なパワーアップを実現する見込みだ。
GT 4ドアクーペの場合、リアに203psの駆動用モーターを搭載し、システム総合での最高出力は843psに達する。同じパワートレインを搭載するメルセデスAMG S 63 Eパフォーマンスでは、僅かにデチューンされ802psがうたわれる。
2ドアクーペのプラグイン・ハイブリッドでも、同様のシステムを搭載すると考えられるが、詳細は不明。駆動用バッテリーの容量もわかっていない。
それでも、メルセデスAMGのラインナップで最強になると予想され、過去のGT ブラックシリーズを凌駕する可能性もある。同社CEOのマイケル・シーベ氏は、顧客の要望へ応えるべく設計を施したと、以前のインタビューで答えている。
2代目GTは、新世代のSLと並行して包括的に開発が進められた。生産も、SLと同じドイツ・ブレーメンの工場が担うという。
2+2レイアウトに広い荷室で実用性を向上
ボディサイズが拡大され車内は広く、2014年以来の2シーターではなく、2+2レイアウトを採用。開口部が広く容量の大きい荷室が与えられ、実用性の向上が狙われた。
これまで後輪駆動だったドライブトレインも、新型SLと同じく、可変式の四輪駆動システムが標準になる。これにより、「様々な気象条件でトラクションや安全性が向上することに加えて、動的特性の幅が拡大します」。と、シーベは説明している。
AMG独自開発の量産モデルとして5台目に当たる2代目GTは、2種類の内燃エンジン版から販売が始まる。どちらも4.0L V型8気筒ツインターボを搭載し、GT 55 4マティック+は475psと71.2kg-mを発揮。GT 63 4マティック+は585psと81.4kg-mとなる。
英国価格は、GT 55 4マティック+で約15万ポンド(約2715万円)からになる見込み。ポルシェ911 ターボやターボSの好敵手といえる。
欧州では、ユーロ7と呼ばれる厳しい排出ガス規制が施行されるが、この4.0L V8は必要に応じて準拠可能とのこと。SL 43に搭載される、4気筒エンジンが載る可能性は低い。
トランスミッションは、湿式クラッチを備える9速オートマティック、通称AMGスピードシフト。初代GTではトランスアクスル・レイアウトだったが、2代目ではエンジンの直後へ組まれる。電子制御リミテッドスリップ・デフも、もちろん備わる。
車重は増え、GT 55とGT 63で共通して1970kgになるとのこと。0-100km/h加速は前者が3.9秒で、後者が3.2秒。最高速度は294km/hと315km/hが主張される。燃費も共通で7.1km/L。CO2の排出量は、319g/kmになる見込み。