アウディA6アバント2.0TDIウルトラ

公開 : 2014.10.22 23:40  更新 : 2017.05.29 18:15

1800kgのエステートに2.0ℓエンジンは些か心細く感じるが、非常に静かでスムーズな回転フィールを披露してくれ、1750-3000rpmの間で40.8kg-mと、3800-4200rpmの間で191psを発揮する。このおかげで0-100km/hタイムは8.5秒、最高速度は225km/hに達する。十分な値ではないだろうか。

7速デュアル-クラッチ・トランスミッションは相も変わらず素早い変速を可能にし、ドライ路面におけるトルク・ステアも最小限、トラクションもたっぷりと確保されているため、このテストでも大部分においてパワートレインの弱点を感じることはなかった。

最大限の燃費を確保しようとするあまり、上のギアにつなぐタイミングが早過ぎて、低い回転域の音が車内に響くことも時にあるが、気になって仕方がないというレベルではない。

Sラインになったからといって、路面からの突き上げを明確に伝えてくることはなく、ボディ・ロールを最小限に抑えながら、極めてしなやかに走ってくれる。A6の方がA5よりもディメンジョンは大きくなるものの、操舵にたいする正確性は維持され、ブレーキの効きやフロント-エンドのグリップも満足にたるレベルだ。

後部座席の真ん中に座ったパッセンジャーはセンター・トンネルを跨いで足を落ち着ける必要があるが、大人5名乗車でも窮屈に感じることはない。きちんと確保された荷室容量と相まって実用性はA6の長所のひとつ。73ℓという大きなガソリン・タンクのおかげで航続可能距離は1658kmにのぼるのだそうだ。

テストにおける標準燃費は16.4km/ℓ、これをもとに計算すると航続可能距離は1191kmと、公表値に及ばないものの、経済性はかなりのものと言っていい。

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