4人乗り「ヴェルファイア」、トヨタがこっそり展示 アルファードVIP仕様、再来か!?

公開 : 2023.09.07 20:42

背後からも覗いてみた

すでに発表されているレクサスLMの4座仕様のように、フロントシートとの間にパーテーションや大型モニターなどは見られなかったが、広大な室内空間をゆったり使いたいと考えるユーザーにとっては魅力的な選択肢の1つとなることは間違いないだろう。

恐らくPHEVモデルにも3列シート仕様は設定されるだろうが、4座仕様が他のパワートレインに設定されるかは不透明であるため、続報を待ちたいところだ。

PHEVは2.5Lハイブリッドがベース?

新型ヴェルファイアPHEV仕様(プロトタイプ)の車室を、バックドアのガラスから覗いてみた。レクサスLMのように前席との間にパーティションは存在しない。
新型ヴェルファイアPHEV仕様(プロトタイプ)の車室を、バックドアのガラスから覗いてみた。レクサスLMのように前席との間にパーティションは存在しない。    神村聖

今回展示されたプラグインハイブリッドモデルの詳細について、トヨタからの正式な発表は現状なかったが、パワートレインは現在ラインナップされる2.5Lハイブリッドがベースとなるようで、すでに販売されているRAV4ハリアーのPHEVモデルと基本的なメカニズムは共通すると思われる。

ただアルファード/ヴェルファイアのフラッグシップグレードとなることを考えると、RAV4やハリアーと同じシステム最高出力306psではやや物足りない感もあり、数百キロ重い車重も考えると、更なる高出力化がなされる可能性は高そうだ。

またアルファード/ヴェルファイアのPHEVモデルは急速充電に対応するようで、右側に備わる“充電口の大きさ”からもそれは見て取れる。

急速充電に対応するなら?

現在トヨタがラインナップするPHEVモデルのRAV4、ハリアー、プリウスはいずれも急速充電に対応していないが、なぜアルファード/ヴェルファイアには急速充電口が備わっているのだろうか。

単純に考えれば大容量バッテリーを搭載し、EV走行距離を伸ばしたから急速充電に対応した、と考えられるが、トヨタはショーファーとして使用される場合、「1日の走行距離は50km前後で十分」というデータを持っているということで、PHEVのEV走行距離をやみくもに伸ばすことは考えにくい。

新型ヴェルファイアPHEV仕様のプロトタイプに備わる充電ポートのフラップ。右後輪の上に設置されている。
新型ヴェルファイアPHEV仕様のプロトタイプに備わる充電ポートのフラップ。右後輪の上に設置されている。    神村聖

となると、急速充電口が必要になるV2Hに対応するためにアルファード/ヴェルファイアPHEVは急速充電に対応したと考えるのが自然だろう。

ショーファーとしての資質はもちろんのこと、緊急時には給電も可能ということになれば、企業はもちろん地方自治体も導入を検討しやすくなることは間違いない。

エクステリアも通常モデルとの差異を最小限にすることで、秘匿性が高まるというのもユーザーによってはプラスに作用するかもしれない。

いずれにしてもすでにプロトタイプとはいえ、お披露目できるレベルの車両が現存しているということは、販売も間近であることは間違いないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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