ロータス 新型エメヤ初公開 最高出力905psの4ドア・セダン 先進性とパフォーマンス強調する次世代EV

公開 : 2023.09.08 19:45  更新 : 2023.09.22 18:49

・ロータスから1990年代のカールトン以来の高性能セダンが登場。
・デュアルモーター仕様は最高出力905ps、0-100km/h加速2.78秒を達成。
・2024年から中国工場で生産開始。

新時代のロータス 解釈変える時が来た

ロータスは9月7日、新型のEVセダン「エメヤ(Emeya)」を欧州で発表した。高性能と洗練性の両立を目指したグランドツアラーであり、同社初のSUV、エレトレに続く新世代のロータスである。

新型エメヤは、EV専用プラットフォーム「エレクトリック・プレミアム・アーキテクチャー」をベースとする。これまで製造してきたスポーツカーとは根本から異なるが、卓越したパフォーマンスが依然として最重要視されている。

ロータス・エメヤ
ロータス・エメヤ    ロータス

最も高性能なデュアルモーターの四輪駆動モデルでは、最高出力905ps、最大トルク100kg-mを発生する四輪駆動方式を採用。0-100km/h加速2.78秒、最高速度256km/hを謳う。

102kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は未公表だが、エレトレ(標準車で600km、ハイパワーのRモデルで490km)と「ほぼ同等」だという。最大350kWの充電に対応し、条件が整えば10~80%の充電を18分で完了するという。

しかし、エメヤは力強さだけを売りにしているわけではない。標準装備のエアサスペンションシステムは前方の道路を毎秒1000回スキャンし、ダンパーを適切に作動させることで厳しい路面環境に積極的に対応する。

また、可動式のグリル、リアディフューザー、高速走行時に拡張して安定性を高めるリアスポイラー(エレテレより100mm幅広)など、アクティブエアロもふんだんに採用されている。ロータスのデザイン担当副社長であるベン・ペイン氏は、アクティブエアロの使用は「チャンス」であるとAUTOCARの取材で語った。それは、エレガントな外観を併せ持つ高性能車を作ることができるからだという。

「高性能でエアロダイナミックなクルマは、かなり細分化されています。さまざまな位置にビットが配置されているため、クリーンでシンプルで首尾一貫していないように見えがちです。ロータスの今後の方向性を考え、可能な限りピュアなクルマにしたいという思いが強くありましたが、アクティブエアロはそれを可能にしてくれるのです」とペイン氏は言う。

高級感とスポーティ性をミックスした内装

インテリアでは、カーボン製フロントシートやフラットボトムのステアリングホイールなど、パフォーマンス志向の要素とラグジュアリーな要素が組み合わされている。

ロータスの中国EV部門であるロータス・テクノロジーは、55.0インチの広大なヘッドアップディスプレイにこだわっている。ルート案内や運転支援システムの警告など、重要な情報をフロントガラスの幅いっぱいに映し出すものだ。

ロータス・エメヤ
ロータス・エメヤ    ロータス

2つのスリムなデジタルディスプレイ(ドライバー用と助手席用)に挟まれるようにして配置された大型のセンタータッチスクリーンなど、基本的にはエレトレと同様のセットアップとなっている。5G通信と無線アップデート機能も当然のように備わる。

センターコンソール、ステアリングホイール、ステアリングコラムには物理コントロールが備わるが、中核機能の多くはタッチスクリーンや音声アシストを使って操作できる。こうした設計は、エメヤの先進的なアーキテクチャを「明確に示す」役割を果たしている、とペイン氏は言う。

キャブフォワードなシルエット、ロングホイールベース、ショートオーバーハングもそうしたイメージを作り出すことに貢献している。

「このクルマがEVであることを理解してもらい、(スケートボード)アーキテクチャの可能性を活用してもらいたい」とペイン氏は語った。

同氏は、これまでのグランドツアラーのプロポーションは「ボンネットの下にシリンダーがいくつあるか」によって決まり、「長く力強いノーズ」と「タイトなキャビン」を形成してきたと説明する。

こうした慣習を打ち破ることで、エメヤは「無意識のうちに、これが電動化された製品であることを伝えている」のだという。「物理的に、ボンネットの下に大きなV8を搭載することはできません」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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