IAAモビリティ2023 注目発表「イッキ見」 野心隠さぬ中国ブランド、伝統掲げる欧州老舗ブランドが相まみえる

公開 : 2023.09.10 18:05

アウディQ6 eトロン

さて、ここからは注目に値する展示内容について企業名のアルファベット順に紹介していく。

まずはアウディの新型電動SUV、Q6 eトロンから。デジタル機能と使いやすさを重視した「人間中心」のレイアウトを採用し、今後のインテリアデザインの方向性を打ち出した。

アウディQ6 eトロン
アウディQ6 eトロン    AUTOCAR

Q6 eトロンは2024年2月発売予定で、新しいEV用プラットフォーム「PPE」を使用する最初の市販モデルとなる。新たなパッケージングの可能性を開くとともに、アウディのデジタル・インターフェースのほぼ全面的な刷新を可能にした新しい電子アーキテクチャを導入している。

11.9インチのドライバーディスプレイと14.5インチのセンターインフォテインメント・スクリーンがダッシュボード上部の曲面パネルに内蔵され、オプションでAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイも設定される。

アバター

中国の自動車メーカーである長安汽車とスマートフォン大手のファーウェイ(華為技術)による新ブランド、アバター(Avatr、阿維塔)が欧州デビューを果たした。2018年に設立され、中国・重慶に本社を置き、上海とミュンヘンに支社がある。

アバターは電動SUVの「11」(写真)を披露し、新型EVセダンの「12」についても詳細を明かした。アバター12は全長5020mm、全幅1999mm、全高1460mm(テスラモデルSとほぼ同じサイズ)で、最高出力308psのシングルモーター仕様と、570psのデュアルモーター四輪駆動仕様の2種類が用意される。

アバター11
アバター11    AUTOCAR

バッテリーの詳細はまだ明らかにされていないが、SUVの11には最大240kWの急速充電が可能な90kWhと116kWhのパックが用意されている。

BMWノイエ・クラッセ・コンセプト

これがBMWの未来だ。いや、本当に。コンセプトモデル「ビジョン・ノイエ・クラッセ」は、全面的に刷新されたスタイリング、抜本的に見直されたインテリア、未来的な(しかし現実的な)インフォテインメント・システム、そして高度に進化したドライブトレイン技術など、BMWの次世代EVの特徴となる要素を垣間見せるものである。

BMWによると、ビジョン・ノイエ・クラッセは特定の市販車を予告するものではなく、2025年から順次導入予定のセダンおよびSUVシリーズを予告するものであるという。ただし、次世代EVの第1弾となる次期3シリーズは、このコンセプトに特に近いものになると考えて間違いない。

BMWノイエ・クラッセ・コンセプト
BMWノイエ・クラッセ・コンセプト    AUTOCAR

BMWの目はしっかりと未来に向けられているが、同時に、ビジョン・ノイエ・クラッセでは角ばったシルエットのE30型3シリーズや、2001年に登場したE65型7シリーズなど、過去作の影響を受けていることを認めている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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