IAAモビリティ2023 注目発表「イッキ見」 野心隠さぬ中国ブランド、伝統掲げる欧州老舗ブランドが相まみえる

公開 : 2023.09.10 18:05

オペル・エクスペリメンタル

オペルは先鋭的なコンセプトカー「エクスペリメンタル」を披露した。同社のデザインチーフ曰く「オペル2.0」を初めて具体化したものであり、次世代EVのデザインを予告し、2028年の全面電動化に向けたオペルの進化を予感させるものである。

エクスペリメンタルは、オペル・アストラとほぼ同サイズのクーペSUVで、持続可能な素材や未来的な車載技術、航続距離を伸ばす空力開発にも重点を置いている。コンセプト自体が市販化されることはなさそうだが、デザインや機能の一部は市販車にも反映されるはずだ。

オペル・エクスペリメンタル
オペル・エクスペリメンタル    AUTOCAR

フォルクスワーゲンID.GTI

フォルクスワーゲンGTIの未来が、今ここからはじまる。心から歓迎したい。

ID.GTIは、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIの精神とスタイリングを受け継ぐEVである。今年のショーにおける主役の1つであり、フロントマウントの電気モーター、特別にチューニングされたスポーツサスペンション、伝統的なGTIのデザイン要素を備えている。

フォルクスワーゲンID.GTI
フォルクスワーゲンID.GTI    AUTOCAR

フォルクスワーゲンのトーマス・シェーファーCEOは、ID.GTIの市販モデルは2026年に公開され、2027年初めに発売されると述べた。

フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント

新型フォルクスワーゲン・パサートは、セダンが廃止され、今のところステーションワゴンタイプのヴァリアントのみの設定となる。

新しい「MQBエボ」プラットフォームをベースに、ボディサイズは全長4917mm、全幅1852mm、ホイールベース2841mmと現行型より一回り大きくなった。これに伴い、室内空間やラゲッジスペースも拡大されている。

フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント
フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント    AUTOCAR

パワートレインにはガソリン、ディーゼル、マイルドハイブリッド、そして電気のみで約100km走行できるというプラグインハイブリッドを設定。最高出力300psのターボチャージャー付き2.0L 4気筒ガソリンエンジンを搭載する高性能モデルのパサートRも計画されている。

インテリアでは、10.3インチのインストゥルメント・ディスプレイと12.9インチのインフォテインメント・ディスプレイが標準装備され、後者はオプションで15.0インチに拡大できる。一部ユーザーの間で物議を醸しているスライダー式コントロールは健在だが、夜間も操作しやすいようにライトアップされるようになった。

人気のDセグメント車として、革新というより進化的アプローチをとり、弱点の克服を図りつつ、最新技術を投入している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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