伝統と最新技術、遊び心が融合 ベントレー・コンチネンタルGT 3世代を振り返る(2)

公開 : 2023.09.20 19:06

ブランドを再定義 新たな可能性も創出

2018年の試乗記を振り返ると、「コンチネンタルGTを現代の象徴的なモデルと表現できるのか?」という疑問で始まっている。果たして、その答えはイエスだろう。

3代目で大きな特長といえるのが、カスタマイズやコーチビルドを担当する部門として復活した、マリナーの存在。その名を冠する試乗車のように、厳選された素材が惜しみなく用いられた内装も、彼らの仕事の1つになる。

ベントレー・コンチネンタルGT V8 マリナー(英国仕様)
ベントレー・コンチネンタルGT V8 マリナー(英国仕様)

現在販売されているベントレーの約4割に、マリナー部門が関わるオプションが装備されているという。欧州では、平均で1台当たり3万ポンド(約543万円)が上乗せされているとか。収益にも大きく貢献している。

ベントレーの間口を広げた、コンチネンタルGTが果たした役割は大きい。マリナーは、バトゥールなど完全なコーチビルド・モデルも提供するが、超高級なパーソナライゼーションの需要も拡大させたといえる。

2ドアクーペのグランドツアラーがブランドを再定義し、新たな可能性も創出した。この成功を土台に生み出されたベンテイガによって、新たな市場への進出も叶えた。

このラグジュアリーSUVは、次のベントレーの主役を担い始めている。販売は好調で、いずれコンチネンタルGTを追い越すかもしれない。

そしてベントレーは、遠くない未来にバッテリーEVを発表する。新しい市場をもう一度開拓し、ブランドの可能性を更に拡張するはず。

大胆な1歩であり、歴史ある同社にとっては賭けのような1歩かもしれない。だが、コンチネンタルGTのように、望ましい結果が導かれるのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ベントレー・コンチネンタルGT 3世代を振り返るの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事