フォルクスワーゲンID.GTI 市販化へ向け開発進行中 全長4.1m、前輪駆動で合成サウンドも 2027年発売予定
公開 : 2023.09.11 18:25
スポーティながら見慣れたエクステリアデザイン
スタイリングとしては、ジョルジェット・ジウジアーロ氏による初代ゴルフのシンプルなデザインに着想を得ながら古典的なGTIのテイストをふんだんに盛り込み、敬愛されるモデルの伝統を守ろうというブランドの意思を表している。
エアカーテンが強調されたフロントバンパー、縦型LEDデイタイムランニングライトなどが特徴的だ。下部にはハニカム形状のエアダクトと、レッドカラーの牽引フックが配置されている。
「VW」のエンブレムはホワイトにライトアップされ、夜間に印象的な外観を演出する。8本のダブルスポークデザインの20インチホイールをクリアするため、オーバフェンダーが装着されている。
リアには、ダウンフォースと高速安定性を向上させる大型スポイラーが装備され、3Dライトグラフィック、赤くライトアップされたエンブレム、「GTI」のグラフィック、ボリュームのあるブラックのリアバンパーを特徴とする。
コンセプトではID.2allより車高を15mm下げてスポーティ性を高めているが、市販モデルでもハードなサスペンション・セットアップの設定が予想される。
フォルクスワーゲンのデザイン責任者であるアンドレアス・ミント氏は、「ID.GTIコンセプトによって、GTIのフィロソフィーに素晴らしい未来があることを示しました。最初にID.2を描いたとき、わたしはすでにGTIを念頭に置いていました。それが今、現実のものとなり、GTIのアイデアを電動モビリティの新時代に投影することを可能にしているのです」と述べている。
ボディサイズは全長4104mm、全幅1840mm、全高1499mmと、現行のポロGTIよりもわずかに大きい。
デザイン主導型を目指すフォルクスワーゲン
インテリアにもGTIらしいデザイン要素が受け継がれており、12時位置の赤いマーカーが特徴的な3本スポーク・ステアリングホイール、チェック柄の「Jack-e」と呼ばれる新しいシート生地、インフォテインメント操作用のゴルフボール型ダイヤルが採用されている。
10.9インチのデジタル・ディスプレイは、初代ゴルフGTIのメーターによく似た「アナログ」モードに設定可能。12.9インチのセンタータッチスクリーンも、過去とリンクしたさまざまなテーマを表示することができる。ゴルフGTIのラリーの歴史にちなんで、ヘッドアップディスプレイはドライバーとパッセンジャー前方のフロントガラスに情報を映し出す。
標準のID.2と同様、ID.GTIは5名まで乗車可能。ラゲッジスペースは490Lで、リアシートを倒すと最大1330Lに拡大できる。リアシートの下には50Lのロック可能な収納スペースがあり、充電ケーブルなどを収納できる。
ID.GTIは「スタイリッシュ」であることを強調しているが、これはフォルクスワーゲン・グループCEOのオリバー・ブルーメ氏が「デザイン主導型」の企業を目指しているためだ。IAAモビリティ2023で、同氏は「研ぎ澄まされたデザイン・アイデンティティによって個性的な製品を生み出し、ブランドの差別化を強化します。エクステリア、インテリア、そしてデジタル・プレゼンスにおいても」と述べた。
既存のゴルフについては、排ガス規制対応のためマニュアルトランスミッション(MT車)の設定が廃止される見通しである。グリューニッツ氏は今年初め、「次世代ゴルフでは、マニュアルのギアシフトは存在しないでしょう」と発言している。しかし、次期排ガス規制ユーロ7はまだ批准前で変更される可能性もあるため、MTの完全廃止は正式には承認されていないようだ。
米国では8月末、ゴルフGTIのMT最終モデルとして特別仕様車「380エディション」が設定された。ブラックとレッドを内外装のアクセントカラーとし、専用色グラファイトグレーメタリックがオプションで用意される。また、ハンドリングパッケージのダイナミック・シャシー・コントロール(DCC)が標準装備される。
画像 「GTIらしさ」を追求したホットハッチ、今までとどう違う?【VW ID.GTIコンセプトを現行型ポロGTI、ゴルフGTIと写真で比較】 全52枚