ミニ 新型クーパー・エレクトリック、英国でも生産へ 2026年開始 中国と2拠点体制
公開 : 2023.09.13 06:25
・ミニの新型EV、中国に続いて英国でも2026年に生産開始。
・110年の歴史あるオックスフォード工場、EV生産に向け大規模改修。
・ガソリン車は2030年に生産終了へ。
新型クーパーEV、英オックスフォードで生産へ
ミニは9月11日、新型EVのクーパー・エレクトリックとエースマンを2026年から英国で生産する計画を明らかにした。親会社BMWグループは、オックスフォードの工場とスウィンドンのボディプレス工場の改修に6億ポンド(約1100億円)以上を投資するという。
ミニの英国工場では現在、内燃エンジン車を中心とする生産活動に約4000人が従事しており、ブランドのEVシフトに伴い大規模な設備改修を受けるが、雇用は維持される見込みである。
9月1日に発表されたばかりの新型クーパー・エレクトリックは、中国の合弁パートナーである長城汽車と共同開発した新プラットフォームをベースとすることから、2024年から中国工場で生産され、世界各地に輸出される。英国工場が稼働する2026年以降は2拠点での生産となり、中国工場は現地市場向けに切り替える。
オックスフォードの工場では、2030年まで新型クーパーのガソリンエンジンモデル(3ドア、5ドア、コンバーチブル)も生産する予定であり、その後は100%EV生産となる。ミニは同工場で「中期的」目標として年間20万台の生産を目指しているが、2030年以降の目標は明らかにしていない。同工場では現在、1日に最大1000台(67秒に1台のペース)を生産している。
BMWグループの6億ポンドの投資には英国政府からの資金援助も含まれるが、その割合は不明。この資金は主に、車体工場の拡張、バッテリー取り付けのための新エリアの建設、オックスフォードおよびスウィンドンの物流施設の建設に充てられるという。
EV向けのバッテリー製造元の名前は挙がっていないが、BMWグループはすでにサムスンやCATLと提携しており、後者はドイツにバッテリー工場を建設中だ。
EVシフトを進めるミニ
オックスフォード工場(カウリーとも呼ばれる)は、第一次世界大戦勃発前にモーリス・ブルノーズ(Morris Bullnose)の生産を開始し、英国における自動車大量生産のパイオニアとなった。操業開始から今年で110周年を迎える。
2000年にBMWグループによるミニの生産を開始し、2019年からEV生産に着手した。昨年のEV生産台数は同工場の4分の1を占める。
ミニのステファニー・ヴルストCEOは次のように語っている。
「英国の人々にとって、そこで生まれ育ったミニは赤ん坊のような存在です。わたし達は今でもオックスフォードをブランドの中心地と呼んでおり、大切にしていきたいと考えています。ミニには非常に強い伝統があり、その伝統は今、近代化され、未来が与えられています。そのことが英国でも感じられることを願います」
「当社のエミッション・フリー車(走行時に排ガスを出さないクルマ)に対する高い需要は、世界のミニ・コミュニティが電動モビリティに対してオープンであることを示しています。オックスフォードのおかげで、わたし達は将来的に最適なサービスを提供することができるでしょう」
一方、SUVの新型カントリーマン(日本名:クロスオーバーに相当)は兄弟車であるBMW X1と同じドイツ・ライプツィヒで生産される。