ファーウェイら3社、高級EVセダンを開発 右ハンドル車も生産予定 新型アバター「12」発表

公開 : 2023.09.14 06:25

・ファーウェイ、CATL、長安汽車による新ブランドから高級EV登場。
・5ドアの流麗なリフトバック、デザイナーはBMW出身。
・航続距離最長700km。右ハンドル車も2024年からタイ向け生産開始。

新生アバターの高級EVセダン

ファーウェイ、CATL、長安汽車の3社が新たに設立した中国のEVメーカー、アバター(Avatr)は、新型高級セダン「12」を発表した。

新型12(「ワンツー」と読む)は5ドアのリフトバックで、2022年に発売されたSUV「11」に次ぐ、アバターにとって2番目の市販モデルとなる。2023年最終四半期に中国で発売される予定である。

アバター12
アバター12    アバター

アバターのマーケティング責任者であるリー・パンハン氏が明かしたところによると、11と12の右ハンドル車の生産が2024年に開始されるという。中国は左ハンドルのため、海外輸出用とされる。

「当社は2024年に右ハンドル車の生産を開始する予定です。現時点では、アバターにとって非常に重要と考えているタイ市場だけに焦点を当てています。英国を含む他の右ハンドル市場にいつ進出するかは、中国以外での11と12の受け入れ状況次第です」とリー・パンハン氏は述べている。

アバター12は、BMWに在籍した経験を持つデザイン責任者、ナダル・ファギザデ氏が確立した現代的なエクステリアを継承している。

際立った特徴としては、大胆なスタイルのLEDヘッドライトとデイタイムランニングライトが挙げられるが、それ以外フロントエンドにはほとんど装飾が施されていない。アバターのブランドロゴはイルミネーション付きとなる。

2本のフィーチャーラインを持つモノリシックなサイドボディには、カメラ付きバックミラー、最大径22インチのホイール、長いガラスルーフなどが備わる。リアウィンドウはないものの、リフトバック・スタイルのテールゲートを採用している。

ボディサイズは全長5020mm、全幅1999mm、全高1460mm。最近欧州に導入されたニオET7に近い車格を持つ。

航続距離は最長700km

インテリアは「繭のような感覚的コックピット」と表現されている。曲面デジタルディスプレイを内蔵したフローティング式ダッシュボード、八角形のステアリングホイール、15.6インチのセンターインフォテインメント・ディスプレイなどが主な特徴だ。

大人5人が座れ、フロントとリアの両方にラゲッジ・コンパートメントがある。ルーフまで伸びたリアバルクヘッドがキャビンとトランクを分離。後方視界は、カメラを介してデジタルバックミラーに映し出される。

アバター12
アバター12    アバター

基本的なパワートレインはSUVの11と共有している。ベースグレードとなる後輪駆動モデルは最高出力312ps、四輪駆動のフラッグシップモデルは2基のモーターから合計578psを発生する。

モーターはファーウェイ製で、750V、94.5kWhのリチウムイオンバッテリーはCATL製となる。中国CLTCサイクルによる航続距離は650~700kmと謳われている。

これに対して11は、90.4kWhまたは116.8kWhのバッテリーから選択可能で、後輪駆動モデルの場合、公称航続距離は555~625kmである。11の0-100km/h加速は4.0秒、最高速度200kmとされるが、12の性能については未公表。

先に中国工業情報化部(MIIT)に提出された登録情報では、車両重量が後輪駆動で2180kg、四輪駆動で2300kgであることが明らかになっている。

運転支援システムとしては、ファーウェイが開発したセンサーとソフトウェアを使用している。3つのLiDARユニットを含む29個のセンサーユニットにより、車線変更支援、信号認識、歩行者検知、そして特定の地域(規制の枠組みがある地域)でのレベル3自動運転を実現するという。

12の生産は、中国重慶市の長安工場で行われる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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