取り外せるLEDライト フォルクスワーゲン・マルチバン 長期テスト(4) パンク修理キットのお世話に

公開 : 2023.09.24 20:25

VWの7シーター・ミニバン、マルチバン。初代タイプIIをご先祖に持つ最新版の実力を、英国編集部がじっくり確かめます。

積算2万6530km スライドドアのアラーム音

家族が寝静まった夜中に、けたたましい警告音が響く。フォルクスワーゲン・マルチバンの電動スライドドアが閉まる時、手を挟むような人が出ないよう、線路のホームドアと同様にアラームが鳴る。隣人にも、筆者が外で何かしていることを教える勢いで。

車上荒らしではない。載せっぱなしだったバックを、取ろうと思っただけなのだが。安全のための機能だとはわかる。しかし、必要に応じてキーフォブなどでボリュームを調整できても良いのではないだろうか。

フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)
フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)

積算2万6811km 無料で使える充電器

グレートブリテン島の南部、オックスフォードにある某ショッピングモールには、無料で利用できるバッテリーEV用のAC充電器が敷設されている。駐車場の一角に、ずらりと。

充電スピードは7kWと早くないが、プラグイン・ハイブリッド程度の駆動用バッテリーには充分。ここまでの移動で消費した電気を、買い物が終わるまでに取り戻せる。政府が進める都市部の交通対策より、環境に与えるメリットは大きいように思う。

フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)
フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)

積算2万9070km 取り外せるLEDライト

フォルクスワーゲン・マルチバンの車内で新たな機能を発見し、驚くとともに喜んだ。荷室のトノカバーを引っ掛けるレールの部分に、小さなLEDライトがいくつか付いている。その手前側は、車体から取り外すことができるのだ。

スロットから抜き取ると、車内を照らすLEDライトは自動的に消える。そして、手のひらサイズの懐中電灯として使えるようになる。置き方次第では、LEDランタンにもなるだろう。現代のライフスタイル・ワゴンとして、便利な機能だと思う。

TVRの工場前に停まるフォルクスワーゲン・マルチバン
TVRの工場前に停まるフォルクスワーゲン・マルチバン

積算2万9234km パンク修理キットのお世話に

先日、フォルクスワーゲン・マルチバンの空気圧センサーが異常を知らせた。よくあるような誤報かと一瞬思ったが、正常に動いていた。フロントタイヤにしっかり釘が刺さっており、トレッド面の外側で修理が難しい場所だった。

目的地の直前でスローパンク状態だったため、無事に仕事をこなすことはできた。駐車している間は、釘の刺さった部分を路面に当てることで、空気が漏れないようにしてみたが、うまく機能した。

フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)
フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)

プラグインハイブリッドのマルチバンには、スペアタイヤがない。パンク修理キットを注入し、これもしっかり役立った。翌日、タイヤ交換にかかった費用は130ポンド(約2万3000円)。スペアタイヤが付いていれば、もう少し簡便に対処できたように思うが。

作業費は120ポンド(約2万円)。出張費を考えれば高くない。無事に、マルチバンは完全な状態に戻った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト フォルクスワーゲン・マルチバンの前後関係

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