ヴォグゾール・コルサ vs フォード・フィエスタ vs VWポロ

公開 : 2014.10.23 23:50  更新 : 2017.05.29 19:32

これまで数台にわたってテストを行ってきたヴォグゾールコルサに、どれほどの実力があるのかを知りたい向きも少なくなはいはずだ。そうでなかったとしても、ヴォグゾールの売上の中心になっていることは間違いない。去年、先代が最終モデルとなった時でさえも英国ではトータルで85,000台が売れたのだから。

しかし特別な仕掛けなど何もなく、最新のコルサは、実は至って ’ふつう’ なのである。風変わりな様子はなく、経済性、洗練、安全製、実用性(電熱線付きの窓ガラス)が高まり、先代で良かった点を堅実に受け継ぎながら、順当に進化しているのだ。

”他のライバルたちと比べてみれば、もっと詳しいことがわかるかもしれない”

そう考えたわれわれは、ヴォグゾール・コルサの真の実力を知るために、英国の南東部に位置する住宅地へと向かった。なぜならコルサを購入する層の生活スタイルとぴったり一致する場所だからだ。クルマのボディカラーといい、まさにここにあるべくしてある、そう感じるほど、周囲に違和感なく溶け込んでいた。

本テストでは、高速道路と市街地、いくばくかのカントリーロードを交えた特別なルートを設定した。モダンな小型車ならばどのような道路でも難なく走ってくれるだろうと期待してのことだ。

われわれの経験から推測すると、ほんのわずかの差でフォードフィエスタに軍配が上がるのではないかというのが当初の予想だった。なぜなら操舵は一流、ボディ・コントロールは喜びに満ち、ダイナミックなキャラクターだからだ。エンスージアストのためにある雑誌だけに、当然の道理ともいえよう。決してホットハッチ的なグレードではないにもかかわらず、楽しさを提供してくれるクルマはフィエスタ以外にあまりないのだ。

借り出せたクルマの都合でフィエスタのみが4ドアになってしまったけれど、こればかりはご容赦いただきたい。

組み合わされるエンジンは1.0ℓの3気筒ターボ。中では一番非力だということになるけれど、発生する出力は100psなので他の2台に大きく遅れをとっているわけではない。きっといつもどおりキビキビと走ってくれるだろう。ゼテック・グレードの価格は£14,545(250万円)となる。

対するフォルクスワーゲン・ポロ。われわれの記憶では、高い質感と洗練がそなわっていたはずだ。ライバルとして悪くはない。テスト車両にはコルサと同じ枚数のドアがそなわり、最高出力はほとんど同じであった。

組み合わされるエンジンは1.2ℓの4気筒ターボ。車両価格は£15,610(269万円)。疑いようがなく高い。SELパッケージというのが大きく影響しているらしい。コルサに比べると値段は張るが、仮にポロのベースグレードを購入した場合、わずか90psしか発生しないエンジンが組み合わされることになる。価格増加分は高級感が増した分と捉えるほうが妥当なのだろうか。だとしたらどれほどわれわれを満足させてくれるかも見どころである。

そしてヴォグゾール・コルサ。つい先日 ’海外初試乗’ の記事で試したものと同じモデルである。3ドアの1.0ℓターボ・ガソリンということはつまり、最新の設計のエンジンで、SRi-VXライン専用ということになる。実際のところ、さほどスポーティーなわけではないのだけれど、ホイールは17インチへと大径化され、インテリアには赤の差し色が施されている。

正直なところ ’SRi’ という文字列から連想するほどの速さはないし、足元が締め上げられたからと言って、唸らされることはないのだけれど、今のところはこのグレードが最もパワフルで、最高出力は116ps、車両価格は£14,460(249万円)となる。3台のうち最も安価な設定だ。

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