史上最強モデル、欧州スーパーカーに「挑戦状」 フォード・マスタングGTD 公道向けのレーシングカー

公開 : 2023.09.18 18:45

足回りも専用設定 スーパーワイドなタイヤ

ステアリングはラック&ピニオン式で、V8の前面には重厚なアンチロールバーが走る。

さらに、8速デュアルクラッチとリヤサスペンションが鋼管フレームにマウントされなど、レースライクなセットアップとなっている。フロントのコイルオーバー・ユニットと同様に、リアもASVを装着し、前後で連動させている。

フォード・マスタングGTD
フォードマスタングGTD    フォード

トランスアクスルをリアに配置したこともあり、重量配分はフロント50%、リア50%となった。ドライバーがハンドルから手を離さずに調整できる可変トラクションコントロールシステムも装備される。

トレッド幅は標準仕様よりも100mm近く広く、325mm幅(GTのリアタイヤよりも幅広)のフロントタイヤを装着し、グリップとコーナリングの安定性を大幅に高めている。

ブレーキは、繰り返し負荷がかかってもフェードしにくいように設計されたカーボンセラミック・ディスクのブレンボ製が採用され、エアダクトにより冷却性能も確保している。

GT3風のレーシーなスタイリング

ホイールは20インチの鍛造アルミか、レース仕様を模したマグネシウム合金(オプション)も選択可能。

エアロパッケージは明らかにGT3レーサーからほぼそのまま流用されており、巨大な油圧調整式リアウイング、ダクト付きボンネット、エアスクープ、フロントスプリッター、リアディフューザーがダウンフォースとコーナリング安定性を高めている。

フォード・マスタングGTD
フォード・マスタングGTD    フォード

インテリアは、レーシングカーというよりも標準のマスタングに近く、デジタルディスプレイや、無線ソフトウェアアップデート機能を備えたインフォテインメント・システムが採用されている。

また、ロータリーダイヤル、ビルドプレート、パドルシフトはすべて、退役した米空軍のF22戦闘機のチタンを再利用して3Dプリントされたもの。

マスタングGTDの車両重量は明らかにされていないが、カーボンファイバー製ボディパネルなどの軽量化により、マスタング・ダークホースの1768kgを大幅に下回る可能性が高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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