モータージャーナリストになるには? クルマを運転し、クルマについて書くという仕事 自動車評論家とは

公開 : 2023.09.23 18:05

わたしがモータージャーナリストになるまで:スティーブ・クロプリー(編集長)

本当にクレイジーな話だ。自分が知っている大好きな自動車雑誌の仕事に就けるとは想像もできないほど臆病なオーストラリアの若い新聞記者が、クイーンズランド州北部でトラックを運転するために1年間の休暇を取った。そこで彼はシドニーから来た旅行者(兼ガールフレンド)に出会う。彼女は不思議なことに彼を気に入り、本来の仕事であるジャーナリズムに戻るようにと求人広告を送り始める。

そのうちの1つが、彼が子供の頃から読んでいた自動車雑誌『Wheels』の求人だった。彼は80km圏内にタイプライターがないことを説明しながら手書きで応募する。面接を申し込まれるとそれまでの仕事を辞め、壊れたクルマを修理し、スーツを買うために借金して南へ3000km走る。2週間かかる。彼は面接を楽しみ(記事をたくさん読んでいるため、面接官が友人のように思える)、またもや不思議なことに仕事を獲得する。

ベントレー・フライングスパーを運転するスティーブ・クロプリー
ベントレーフライングスパーを運転するスティーブ・クロプリー    AUTOCAR

上記のことは1973年以前にわたし(スティーブ・クロプリー)に起こったことだ。その5年後、メディアでのさまざまな冒険を経て、わたしは英国での魅力的なチャンスを与えられ、31年前に『AUTOCAR』に入った。想像しうる最高の同僚たちと働き、読者の中で最も高く評価し、理解してくれる人たちと話をすることができた。ここで幸せだったと言うのは、あまりに控えめな表現に尽きる。

志望者へのアドバイス? 良い文章を書くことに全力を尽くしなさい。あなたが気にかけている人たちは、きっと気づいてくれる。

僕がモータージャーナリストになるまで:ジョナサン・ブライス(編集部見習い)

2年前、僕は『What Car』(AUTOCARの兄弟誌)の編集者スティーブ・ハンティングフォード氏に連絡を取った。彼は、僕が暇つぶしに書いたくだらないメールや記事を読んでくれて、仕事を体験させてくれた。3か月後、AUTOCARの編集見習いとして採用され、グラスゴーから引っ越し、慣れない英語のアクセントに囲まれた新しい生活を始めた。

着任して以来、はっきりしたことが1つある。それは、本当にやりたいと思わなければならないということだ。(スーパーカーに触れられるような)華やかさはありがたいが、特に駆け出しのころはデスクワークをたくさんこなす覚悟が必要だし、もちろん給料はもらえるが、ベルトはグッチではない。

BMW i5に座るジョナサン・ブライス
BMW i5に座るジョナサン・ブライス    AUTOCAR

しかし、もしあなたがクルマへの熱い情熱を言葉にしたいのなら、クルマオタク仲間に囲まれて、テスコ(英国のスーパーマーケット)でお得な食事をしながら、雑誌を選び、編集者の受信箱にあなたの言葉を送ってください。ただし、下品な文章は禁物。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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