アルファ・ロメオ 2台目の新型スーパーカー、2026年発表へ 歴史的名車にインスパイアされた少量生産モデル

公開 : 2023.09.19 19:25

・33ストラダーレに続く2台目の少量生産スーパーカー、2026年発表予定。
・特別部門「ボッテガ」がブランド価値を高めるアイコン的モデルを構想。
・モントリオール、ジュリアTZなど歴史上の名車にインスピレーションを得る。

新たな少量生産スーパーカー構想中

アルファ・ロメオは、33ストラダーレに次ぐ新型の少量生産スーパーカーを2026年に発表する予定だ。過去の名車からインスピレーションを得たデザインになるという。

戦略プロジェクトの責任者であるクリスティアーノ・フィオリオ氏は、アルファ・ロメオはすでに33ストラダーレの購入者やその他の顧客から、復活してほしいクルマについて聞き取り調査を行っていると語った。

アルファ・ロメオが新たな少量生産モデルを計画中。
アルファ・ロメオが新たな少量生産モデルを計画中。

フィオリオ氏によると、顧客はいずれも1960年代から1970年代のモデルを提案しており、特に4車種が最も支持を集めたという。最近発表された33ストラダーレは、1967年の同名のモデルにインスパイアされたものだ。アルファ・ロメオは新型車の開発にあたり、フィオリオ氏が率いる特別部門を新たに設け、社内では「ボッテガ」(イタリア語で工房やアトリエを意味する)と呼ばれている。

デザイン責任者であるアレハンドロ・メソネロ=ロマノス氏は「最初のクルマ(33ストラダーレ)は、わたし達にとっても、アルフィスティ(アルファ・ロメオのファン)にとっても、そしてお客様にとっても、本当にいいエクササイズになった。もっと続けていきたい」と語っている。

33ストラダーレは、マセラティMC20のシャシーと内燃エンジンを使い、16か月という比較的短い期間で開発された。バッテリーEVモデルも用意されている。アルファ・ロメオによると、予定生産分の33台はすべて販売され、買い逃した人々の「長い」キャンセル待ちリストができているという。価格は明かされていないが、170万ポンド(約3億1000万円)程度と報じられている。

ジュリアTZ、モントリオールの復活が有力視

アルファ・ロメオは少量生産モデルを複数展開し、ブランド価値を高める新しいアイコンとする計画だ。

メソネロ=ロマノス氏によると、顧客は1台目のお披露目と同時に、2台目についての意見を求められたという。「彼らに尋ねましたよ。『やぁ、おそらく次のクルマはあなたがお客様でしょう。どちらにしますか?』とね」

アルファ・ロメオ・モントリオール
アルファ・ロメオ・モントリオール

復活(再現)が有力視されているのは1963年に発表されたジュリアTZで、空力性能を向上させるためにリアエンドを切り詰めた「コーダ・トロンカ」が特徴的だ。アルファ・ロメオはすでに、今後の市販車デザインにコーダ・トロンカを取り入れることを明らかにしており、どうやら2024年に発表予定の新型コンパクトSUVから導入されるようだ(リーク画像を見る限り、特徴的なリアエンドが確認できる)。

このほか、1970年のモントリオール(写真)や、1960年のジュリエッタSZも、インスピレーションの源となりうるクルマだ。

スタイリングは必ずしもレトロ志向になるとは限らないが、裕福なアルフィスティの多くが過去のモデルのレプリカを所有したいと考えているという。「顧客に受け入れられるものを作らなければならない」とフィオリオ氏は言う。

特別部門ボッテガが開発するモデルはすべて少量生産で、最大でも50台以下とされる。「その数を超えると、本物のクラフツマンシップが失われ、通常のビジネスラインになってしまう」とフィオリオ氏。33ストラダーレはすべてカロッツェリア・トゥーリング・スーペルレッジェーラが製造している。

フィオリオ氏によると、アルファ・ロメオはボッテガから毎年新モデルを投入する計画だという。

ボッテガではその他、ブランドのアイコンとなっている「V」字型シールドグリルやヘルメットなど、アートワークや関連アイテムも販売する予定だ。

ボッテガは一部門としてステランティス社内で独立採算を取る必要があり、33ストラダーレの販売から利益を得ることになる。しかし、利益は最終目標ではない。「主な目的は、ブランドエクイティを高めることです」とフィオリオ氏は語った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ニック・ギブス

    Nick Gibbs

    英国編集部ビジネス担当記者
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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