次期BMW M3 「クレイジー」な制御システム採用、4モーターの高性能EVへ ハート・オブ・ジョイとは?

公開 : 2023.09.21 18:05

9割以上の顧客はパワートレインなど気にしていない?

高性能の内燃エンジン車としてファンに愛されてきたMモデルの電動化について、ウェーバー氏は次のように述べている。

「NKが非常に野心的であることを示すようなものを用意したいと考えていますが、これ(高性能モデル)は人々が今日慣れ親しんでいるものよりもはるかに上を行っています。製品ラインとしてNKを立ち上げてからそう遠くない時期に登場するでしょうし、人々もバッテリーEVのMを手に入れたいと思ってくださっているので、コアモデルのSOP(生産開始)に近い早い時期に実現したい」

BMW M3コンペティション
BMW M3コンペティション

「わたし達は、消費者の声をはっきりと聞いています。中には、わたしのところに来て『いや、Mファンはこれを望んでいない』と言う人もいる。そんなことはありません。わたし達は多くの顧客調査を行っています。Mのお客様が求めているのは、単純に最上かつ最高のパフォーマンスなのです」

「1メガワットの性能を持つクルマに乗り込み、個々の車輪をコントロールできるようになった瞬間、エンジン音には違いがあるかもしれませんが、クルマの挙動には問題がないと断言できます」

こうしたウェーバー氏の意見は、BMW Mのフランク・ファン・ミールCEOの考えとも一致する。ファン・ミール氏は昨年、どんな電動パフォーマンスカーを発表する際にも、顧客に「これはクレイジーだ、こんなことになるとは思わなかった」と言ってほしいと語っている。

「M3のストーリーは永遠です。4気筒、6気筒、8気筒、6気筒、ターボチャージャーと、エンジンのストーリーを変えるたびに、M3のストーリーは続いていきます」

「もしかしたらEVになるかもしれませんが、そうなったとしても、必ずM3になります。パワートレインがどうであれ、わたし達のクルマに乗れば、それがM3であることがわかるはずです。わたし達は50年間、時の試練に耐えてきましたし、これからもそうあり続けるでしょう」

ファン・ミール氏のコメントによれば、BMWは電動化によって高性能モデルの魅力が下がるとは考えていないようだ。

「お客様と話したところ、90~95%の方はパワートレインの方向性など気にしていないとのことでした。彼らはただMモデルが欲しいだけなのです。V8を載せないのなら買わないという人もいますが、それはそれでいいと思います。わたしは尊重します」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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