なぜ今アコードを売るの? セダン低迷時代に新型 ホンダの勝算はどこに

公開 : 2023.09.21 11:00  更新 : 2023.09.21 13:00

体験 ダイヤル式の新インターフェース

外観は、メッシュ調のフロントグリルを軸に、ファストバックスタイルが持つ流麗で洗練された新しいスタイリングとした。

一方のインテリアは、最近のホンダ車に見られる低い水平基調のダッシュボードとプレーンな雰囲気の組み合わせで、これが開放的でノイズの少ない前方視界を実現。ターゲットとする所得が高い若い世代にも十分に受け入れてもらえるレベルにあると言って間違いない。

左上のダイヤルの操作に連動して各種設定ができる「エクスペリエンスセレクションダイヤル」。ダイヤル自体の中央には時計が表示され、アナログ/デジタル式が選択できるほか、その背景に好みの“動く模様”を設定可能。北米仕様にはないアジア専用の機能だ。
左上のダイヤルの操作に連動して各種設定ができる「エクスペリエンスセレクションダイヤル」。ダイヤル自体の中央には時計が表示され、アナログ/デジタル式が選択できるほか、その背景に好みの“動く模様”を設定可能。北米仕様にはないアジア専用の機能だ。    神村聖

ダッシュボード中央にはApple CarPlay/Android Autoに対応したホンダ史上最大の12.3インチのタッチスクリーンが用意された。ヘッドアップディスプレイも11.5インチ相当の大型サイズとすることで視認性を一段と高めている。

機能面で見逃せないのが、車内環境のスマートな操作体験を提供する「エクスペリエンスセレクションダイヤル(写真)」の採用だ。

ダイヤルを回すとセンターディスプレイにメニューが現れ、必要なところで回転を止めてダイヤルをプッシュ。

これで使いたい機能があっという間に選択できる。もはや、使いたいスイッチがどこにあったか探す必要なんて一切ないのだ。

そのため、車内には従来なら装備されていたスイッチ類がなく、これによってスッキリとしたインテリアにすることができた。

そして、注目の機能となるのが車載向けコネクテッドサービス「Googleビルトイン」。

OK Google! セダンの新ユーザー像

Googleビルトインの最大の特徴は、インフォテイメントシステムのOSを「Android」としていることにある。同様機能はすでにボルボ車が採用済みだが、ホンダが国産向け車両に導入するのは初めてのこととなる。

そのため、スマホを接続しなくてもGoogle Playで新たなアプリを追加すれば、スマホのようにどんどんその機能を増やしていける。

「OK Google、今日の天気を教えて!」と発したところ。現在地周辺の天気予報を伝えてくれる。OK Googleは、「オッケーグーグル」のような言い方でしっかり反応する。
「OK Google、今日の天気を教えて!」と発したところ。現在地周辺の天気予報を伝えてくれる。OK Googleは、「オッケーグーグル」のような言い方でしっかり反応する。    神村聖

音楽やポッドキャスト、オーディオブックといったコンテンツも必要に応じて増やすことができ、楽しみ方はどんどん広がっていくのもこのサービスの良いところと言えるだろう。

そして、その機能の中核をなすのが、音声入力で様々なコマンドに対応できる「Googleアシスタント」である。

ウェイクアップワードである“OK Google”と発することで(音声コントロールボタンや画面上のアイコンをタップしても可能)直ちにコマンド入力モードが立ち上がり、思いついたことをそのまま声に出せばいい。

その機能は、たとえばエアコンの温度設定やシートヒーターのON/OFFはもちろんだが、何よりも便利さを実感できるのが、今までなら一旦停止して操作していたことでも運転しながら操作できてしまう点だ。

たとえば、Googleマップを使うカーナビゲーションでは、走行中にコンビニへ立ち寄りたくなったら「近くのコンビニを探して」と一言告げれば、自動的に候補を探してリストアップしてくれる。

聴きたい楽曲があったら曲名を告げればいいし、携帯電話に届いたメッセージや電話の着信も常に監視しつつ、素早く返信できる。この便利さは一度体験したら後戻りできないほどだ。

記事に関わった人々

  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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