新世代も類まれな総合力 メルセデス・ベンツEクラス・ステーションワゴンへ試乗 レベル4に対応

公開 : 2023.10.08 19:05

定評あるステーションワゴンが新技術満載で世代交代 V8エンジンのAMGも登場予定 類まれな能力の広汎さ 英国編集部が公道で評価

レベル4に準じた自律運転システムに対応

約半世紀に渡って成功を重ねてきた、メルセデス・ベンツのステーションワゴンが、そのバトンを繋ぐべく新世代への交代を果たした。1977年のW123型以来、ドイツ・シュツットガルトの高級ブランドにとって、欠かせない存在となっている。

Eクラスとしては6代目となるS214型は、歴代で最も大きなボディをまとう。また、過去にないほどふんだんなデジタル技術を搭載し、先進的でもある。

メルセデス・ベンツE 220d ステーションワゴン(欧州仕様)
メルセデス・ベンツE 220d ステーションワゴン(欧州仕様)

オプションを指定すれば、ダッシュボードのほぼ全面をモニターが覆う、スーパースクリーンも装備できる。この大画面なら、外出先でストリーミングによる映画鑑賞も存分に楽しめそうだ。

レベル4に準じた、自律運転システムにも対応する。法律が許す地域なら、ドライバーが運転席から離れても構わないということになる。立体駐車場の空いている区画を自動的に探し、駐車をクルマに任せることも可能だという。

一方、これまでの伝統に則り、フロントドア部分までのデザインはEクラスのサルーンと同一。ルーフレールは滑らかにボディへ統合され、電動で開閉する大きなテールゲートが備わる。

伸びやかなボディラインで、試乗車のように大きなアルミホイールを履いていると、極めてスタイリッシュ。アウディA6 アバントやBMW 5シリーズ・ツーリングと比較しても、スマートに見える。

メルセデス・ベンツだと夜間に主張したいのなら、フロントグリルにイルミネーションも追加できる。スポーティなAMGラインで仕立てることも可能だ。

V8エンジンのAMGも登場予定 220dは196ps

ボディが大きくなったといっても、違いは限定的。全長は4mmプラスの4949mm、全幅は28mm広がり1880mm、全高は1mm増えて1469mmとなる。ホイールベースは2961mmで、22mm長くなった。

特に変化した全幅に合わせて、左右のタイヤの間隔、トレッドも広がっている。フロントで30mm増しの1634mm、リアで38mm増しの1651mmある。

メルセデス・ベンツE 220d ステーションワゴン(欧州仕様)
メルセデス・ベンツE 220d ステーションワゴン(欧州仕様)

パワートレインは、基本的にサルーンのEクラスと同じ。マイルド・ハイブリッド化された、直列4気筒か6気筒の、ガソリンターボかディーゼルターボを選択できる。24.1kWhの駆動用バッテリーで最長178kmも走れる、プラグイン・ハイブリッドも用意される。

2024年には、パワフルなAMG仕様も登場予定。V8エンジンも設定されるという。今回試乗したのは、ステーションワゴンにぴったりなディーゼルターボのE 220dだ。

最高出力196ps、最大トルク44.7kg-mを発揮する4気筒エンジンは、先代の2.0Lユニットのアップデート版。マイルド・ハイブリッドで、9速ATと一体になったスターター・ジェネレーター(ISG)が23psと20.8kg-mを加勢する。

車重が1915kgあるステーションワゴンとしては、さほど際立つ数字ではない。それでも、ディーゼル・ターボエンジンは粘り強く、9速ATはギア比がワイドで、感心するほど瞬発力は鋭い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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