英国政府 ガソリン車の販売禁止、5年延期 「現実的」と首相、各方面から批判も
公開 : 2023.09.22 06:45
延期に対する反応 JLRは肯定的
内燃エンジン車の販売禁止の延期に対し、影の環境大臣スティーブ・リード議員は、労働党は2030年のガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止期限を守ると述べたが、従来通りハイブリッド車を2035年まで認めるかどうかは明言しなかった。
リード議員は、この禁止措置は英国の2050年ネット・ゼロ目標の達成に必要だと述べ、首相は「21世紀最大の経済的機会を売り渡した」と述べた。
他にも多くの気候変動政策が変更される中、最も反響を呼んでいるのは内燃エンジン車の禁止の延期だ。この計画が最初にリークされたとき、ある匿名の保守党議員は英スカイニュース(Sky News)に対し、禁止を延期するのは「馬鹿げている」と語り、「どの自動車会社もEVに投資している。我々はタタにバッテリーを作るための資金を与えただけだ」と批判した。
インドのタタは今年7月、英国に大規模なバッテリー工場を建設する計画を明らかにしたが、これは英国政府による支援が大きな後押しになったとされている。
フォードの英国部門責任者であるリサ・ブランキン氏は「逆風が強い間は、短期的にEV市場を強化し、消費者を支援することに焦点を当てた政策が必要です。インフラは未熟で、関税が迫り、生活費も高い」と述べた。
英国最大の自動車メーカーであるJLR(ジャガー・ランドローバー)は、禁止措置の延期は他の欧州諸国と足並みを揃えるという「現実的」なものだとの認識を示した。同社は2039年までにネット・ゼロの達成を目指し、人々が「エキサイティングな電気の未来」に移行する手助けをするとコメントした。
英国の自工会に相当する自動車製造販売協会(SMMT)のマイクス・ホーズ会長は、「これを現実のものとするためには、消費者が乗り換えたいと思わなければなりません。そのためには、政府が明確で一貫性のあるメッセージ、魅力的なインセンティブ、そして不安ではなく自信を与える充電インフラを提供する必要があります。混乱と不確実性は、消費者の足を引っ張るだけです」と述べた。