容姿と中身の好バランス ヒョンデ・アイオニック6へ試乗 韓国製BEVの実力を探る 前編
公開 : 2023.09.23 20:05
視覚的なセンスと心に抱かせるカリスマ性
親子連れが、スマートフォンをこちらへ向ける。だが、そんな注目も束の間。
高級ホテルへ向かう高級車が頻繁に通過するリゾート地にとって、珍しいクルマは特に珍しい存在ではない。ブガッティ・シロンが、アストン マーティン・ザガート・ヴァンキッシュと一緒に、スーパーの前へ駐車しているほどだ。
小雨が降る中、なだらかなリアウインドウを雨水が流れ落ちる。ボディにファサードの景色が映り込む。ピクセル状のテールライトが色っぽく灯る。やっぱり、ドラマチックな容姿だと再確認する。
ヒョンデの電動パワートレインの技術力は、テスラやポールスター、フォルクスワーゲンといったメーカーと、大差はないかもしれない。しかし、視覚的なセンスや心に抱かせるカリスマ性では、アイオニック6の方が勝っていると思う。
実際、近年のヒョンデのデザインには話題性がある。1970年代の雰囲気を匂わせるアイオニック5もそうだし、SUVの新しいサンタフェも、シンボリックな容姿だといえる。アイオニック6を予言したコンセプトカー、プロファシーも、高い評価を得ていた。
2022年には、古いハッチバック、ヒョンデ・ポニーのスタイリングを現代へ焼き直した、燃料電池を積んだコンセプトカーのNビジョン74もインターネット上で支持を集めた。いずれもが、自社のブランドイメージの醸成へ一役買っている。
この続きは後編にて。