日本未導入の1.6L版 日産マイクラ(マーチ) 160SR 英国版中古車ガイド ニュルで最終調整
公開 : 2023.10.19 19:05
新車時代のAUTOCARの評価は
マイクラ 160SRには優れた訴求力がある。エンジンは意欲的に回り、ステアリングホイールはノーマルより重めで、充分な感触が伝わってくる。
5速MTは、軽快に次のギアを選べる。シフトレバーのストロークは長めながら、正確にゲートを辿れる。シャシーは引き締まり、落ち着いていて機敏。荒々しい特性はなく、本当に運転が楽しい。
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サイモン・ガズデン氏:LSカーセールス社
「先日、マイクラ 160SRを5000ポンド(90万円)で販売しました。2008年式で、走行距離は4万8000kmほど。年配の紳士が乗られていたクルマで、とても状態の良い1台でしたね」
「ABSシステムが不調になり、交換部品が見つからず車検が通らなくなったことを理由に、やむなく手放されたクルマでした。この年代のマイクラの部品は、入手が難しくなっています」
「調べたところ、マイクラ C+Cと呼ばれるコンバーチブル用の部品が使えるとわかったんです。新品で400ポンド(約7万円)もしましたよ」
「お問い合わせを沢山頂きましたが、最終的に160SRを購入した男性は、特別なマイクラだとは理解していませんでした。妻のために、高速道路を走れて信頼性が高く、ある程度の動力性能を持つハッチバックを探していただけのようです」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
1.6Lエンジンは、タイミングチェーンでバルブが駆動されている。チェーンが伸びる可能性はあるので、エンジンからの異音がないか確認したい。冷間時にディーゼルエンジンのようにノイズが大きくなるなら、早めの交換を考えたい。
回転が安定しなかったり、吹け上がりがもたつく場合は、マスエアフロー・センサーの不調かもしれない。
トランスミッションとブレーキ
1速への入りが悪い場合は、エンジンマウントのヘタリが原因かもしれない。シフトレバーのストロークは長いものの、動きが軽く、正確にゲートを往復できるのが本調子。
ABS警告灯が点灯していないか確かめる。上記の通り、マイクラ C+Cの部品で修理はできる。
ボディ
雨水が侵入し、テールゲートのロックが不調になる場合があるようだ。
知っておくべきこと
マイクラ 160SRは非常に珍しい。もし特別な3代目をお探しなら、マイクラ C+C 1.6スポーツという選択もある。同じ1.6Lエンジンを搭載し、乗り心地もハンドリングも好ましい。フォールディングルーフはドイツ・カルマン社製で、ボタン1つで開閉できる。
装備内容は160SR以上。英国の中古車市場ではC+C 1.6スポーツの方が流通量は多く、お値段もお手頃だ。
ちなみに、マイクラ 350SRというワンオフモデルも2005年に作られた。ニスモがチューニングした350Z用のV6エンジンをミドシップし、最高出力は309psを誇る。トランスミッションは、日産アルティマ(マキシマ)用の6速マニュアルが組まれていた。
0-100km/h加速は5秒を切り、ナンバーを取得し一般道の走行を可能にしていた。「過剰なドラマチックさはなく、ただひたすら速い。地上最高のエンジンサウンドを響かせる」。と、当時試乗したAUTOCARはレポートしている。
画像 日本未導入の1.6L版 日産マイクラ 160SR 最新マイクラとフェアレディZ 同クラスの和製現行ホットハッチも 全108枚