新世代のブレーキ機構 「ブレーキ・バイ・ワイヤ」の利点とは? クルマを変える技術

公開 : 2023.09.29 18:05

ステアリングのバイ・ワイヤ化も進む

ステア・バイ・ワイヤについてはどうだろう? 電動パワー・アシスト・ステアリング(EPAS)は、主に油圧ステアリングよりもはるかに必要エネルギーが少ないため、現在では一般的だが、それでもドライバーとステアリングの間の機械的な接続は残っている。

完全なステア・バイ・ワイヤは、ドライバーをステアリング・ギアから完全に切り離すことを意味する。

トヨタもステア・バイ・ワイヤに取り組んでいる。
トヨタもステア・バイ・ワイヤに取り組んでいる。

実はバイ・ワイヤという方式自体は、ブレーキとステアリングにおいてはまだ製品として普及していないが、ある部分ではすでに実用化され、身近なものとなっている。電子制御スロットルだ。

電子制御スロットルは、アクセルペダルとエンジンのスロットルとの間に機械的な接続がない。その代わり、ペダルボックスとエンジンに取り付けられたセンサーが、スロットルと燃料噴射量を調整するために必要な情報をエンジンコンピューターに伝える。

その狙いは? 主に燃費と排出ガスをコントロールするためだ。

ブレーキ・バイ・ワイヤもステア・バイ・ワイヤも試作段階まで進んでおり、いずれは公道に登場するだろう。実際、ドライバーレスの自動運転車が現実のものとなるには、不可欠な要素である。しかし、今のところはどちらも優先度が高くなく、後回しにされているのが現状だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェシ・クロス

    Jesse Crosse

    英国編集部テクニカル・ディレクター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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