アルファ・ロメオ 4C後継車に「スパイダー」導入へ 次世代EVスポーツモデル、2027年以降発売か

公開 : 2023.09.28 06:05

・アルファ・ロメオは4C後継となる電動スポーツカー「スパイダー」を計画中。
・次期ジュリアとコンポーネント共有。「直感的」な運転体験の実現を目指す。
・次期スパイダーはラインナップの「最後の仕上げ」として2027年以降に導入。

アルファ・ロメオになくてはならない「スパイダー

アルファ・ロメオは、ラインナップを拡大・刷新する電動化戦略の一環として、新たな電動ロードスターの導入計画を固めている。

アルファ・ロメオは8月末に同社初の電動パワートレインを搭載するスーパーカー、33ストラダーレを発表したが、2024年には小型電動SUVを導入し、その後ジュリアとステルヴィオの後継EV、そして中国と米国市場をターゲットにした大型セダンとSUVを発売する予定だ。

アルファ・ロメオは新型「スパイダー」を計画中(編集部作成予想CG)
アルファ・ロメオは新型「スパイダー」を計画中(編集部作成予想CG)    AUTOCAR

電動化を進める中でもスポーティなブランドキャラクターを中心に据える方針を示しており、新たなスポーツモデルの導入にも積極的だ。アルファ・ロメオの製品責任者であるダニエル・グッツァファメ氏は、33ストラダーレの発表会で次なる新型車について言及し、ブランドとの結びつきの強い「スパイダー」の名称を継承する可能性をほのめかした。

「アルファ・ロメオのアイテムの中には、殺してはいけないものがいくつかあります。1つはスパイダー、もう1つはクルマへの愛です。なぜなら、それがブランドだからです」とグッツァファメ氏は述べた。

新型スパイダーは、2013年から2019年まで製造された4Cの後継車であること、そしてEVであることを示すために「4E」と命名される可能性がある。しかし、グッツァファメ氏によると、車名は通常、車両開発プロセスの「後期」に決定されるため、まだ確定していないという。

このような新型車の実現可能性について、グッツァファメ氏は「アルファ・ロメオといえばスパイダーであり、スパイダーといえばアルファ・ロメオです。今のところ、当社は十分に安定しており、正しい基盤を築いています。重要なのは、わたし達がそれ(スパイダー)を作ろうとするとき、成功する見込みがあり、持続可能で、ただ作ることだけを目的に市場に投入しないということを明確にしなければなりません」と述べている。

登場時期については、ラインナップが5車種になれば「手の届く範囲」にあるとされており、少なくとも2027年以降になると考えられる。

次期ジュリアEVと部品共有 個性的な運転体験を

アルファ・ロメオは2027年までに内燃機関を廃止する計画であり、新型4E(仮称)はEV専用モデルとなるだろう。新型プジョーe-3008や近日発表予定のジュリアEVと同様、STLAミディアム・プラットフォームをベースにする可能性が高い。

このプラットフォームは、毎分約16kmの充電能力、0-100km/h加速2.0秒のパワー、800km以上の航続距離など、華々しいパフォーマンスを発揮するバッテリーとドライブトレインに対応している。

アルファ・ロメオ4C
アルファ・ロメオ4C

4Eのパフォーマンスについては不明だが、アルファ・ロメオは次期ジュリアEVで航続距離800kmを実現するために100kWhのバッテリーパックを使用し、仕様によっては最高出力1000psを謳っている。

4Eは次期ジュリアEVとコンポーネントを共有する見込みだが、スーパーカーではなくスポーツカーという位置づけであることから、より軽量でコンパクトなプロポーションを追求するため、比較的小型のバッテリーが選ばれる可能性が高い。

また、アルピーヌロータスポルシェのように、バッテリーをシャシー中央に配置することで、今日のミドシップ・スポーツカーのダイナミクスを模倣する可能性もある。

アルファ・ロメオは、内燃エンジンの特徴を模倣してエモーショナルなキャラクターメイキングを試みると示唆されている。電動スポーツカーのドライビング・エクスペリエンスを、一般的なEVモデルと差別化する方法を模索しているようだ。

グッツァフメ氏はこう説明する。「何を聞くかではなく、何を感じるかです。わたし達は、音以上の波動、耳に響くようなものに変える方法を研究しています。直感から何かを得る必要があるからです。もし実現できれば、それがアルファ・ロメオの未来になるでしょう」

ただし、この機能はドライバーの任意でオフにすることができる。

「次世代のスパイダーについて考えるなら、自然の中や海辺など、まったくノイズのない環境に身を置きたいですね」とグッツァファメ氏。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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