クルマの聖地ニュルブルクリンク 市販車最速記録 「緑の悪魔」に挑んだ公道最速のマシン
公開 : 2023.09.30 18:05
・ドイツのニュルブルクリンク・サーキットはクルマの「聖地」として知られる。
・世界中のクルマが足腰を鍛えるため、またラップタイムの記録を競うため訪れる。
・市販車カテゴリーで圧倒的なタイムを叩き出した14台を紹介。
もくじ
ー世界中からクルマが集まる「聖地」
ー市販車部門:1 - メルセデスAMGワン - 6:35:18
ー2 - ポルシェ911 GT2 RS(マンタイ・パフォーマンスキット装着車) - 6:43:30
ー3 - メルセデスAMG GTブラックシリーズ - 6:43:62
ー4 - ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ - 6:44:97
ー5 - ポルシェ911 GT2 RS - 6:47:25
ー6 - ラディカルSR8LM - 6:48:28
ー7 - ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ - 6:52:01
ー8 - ラディカルSR8 - 6:55:00
ー9 - ポルシェ911 GT3 RS(991.2) - 6:56:04
ー10 - ポルシェ918スパイダー - 6:57:00
ー11 - フェラーリ296 GTB - 6:59:42
ー12 - ポルシェ911 GT3(992) - 6:59:927
ー13 - フェラーリ488ピスタ - 7:00:03
ー14. リマック・ネヴェーラ - 7:05:28
世界中からクルマが集まる「聖地」
リマック・ネヴェーラが8月18日、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)における市販EVのラップレコードを更新し、7分05秒298という驚異的なタイムを記録した。
「緑の地獄」と呼ばれる全長約20kmのニュルブルクリンクで7分に迫るタイムを記録したことは、どのメーカーにとっても快挙である。市販EVの世界最速ラップを叩き出したネヴェーラは、リマックの技術力を世界に示したと言えるだろう。
記録挑戦走行でステアリングを握ったのはクロアチア人のレーシングドライバー、マルティン・コドリク氏で、これまでの市販EVの記録(テスラ・モデルSトラックパックの7分25秒231)を20秒更新した。
ニュルブルクリンクというサーキットは、マシンのどの部分が、どのように機能しているか、そしてどこを改善する必要があるかについて、比類ない洞察を与えてくれる。そのため、ニュルブルクリンクのラップレコードは自動車メーカーにとってある種の栄誉であり、「最速」の栄冠を目指して何年もかけてマシンを磨いてきたメーカーもある。
ラップタイムは車両のタイプごとに分類されている。この特集では、主要カテゴリーにおける最速ラップタイムを紹介していきたい。まずは市販車部門(本記事)から取り上げ、前輪駆動車、四輪駆動車、後輪駆動車、EV、そしてカテゴリー不問の順に触れていく。
1点、2019年から「公式」のコース全長が長くなったという点には注意したい。それ以前はコース最後の短いストレート区間「T13」が事実上省かれており、全長20.6kmでタイムが記録されてきた。しかし、現在は232m長い全長20.832kmとして記録されている。その違いの一例として、ポルシェ911 GT2 RSの記録(後述)は旧基準では6分38秒835となる。
市販車部門:1 – メルセデスAMGワン – 6:35:18
まずは、市販車として最速記録を達成したマシンを紹介しよう。
メルセデスAMGワンは、ニュルブルクリンクの公道走行可能な市販車最速ラップを更新し、それまでの記録を10秒近く縮めた。
10月28日にDTMドライバーのマロ・エンゲル氏がドライブし、156コーナーからなる北コースで6分35秒183を記録した。このラップタイムは、スーパースポーツカー部門の最速記録でもある。
「公道を走るF1マシン」と称されるワンは、メルセデスAMG史上最もパワフルな市販車であり、F1用の1.6L V6ターボエンジンの改良型と4基の電気モーターが組み合わされたハイブリッドシステムにより最高出力1063psを発生させる。価格も220万ポンド(約4億円)からと豪快だ。
画像 ニュル最速の市販車トップ3【メルセデスAMGワン、ポルシェ911 GT2 RS、メルセデスAMG GTを写真でじっくり見る】 全88枚