クルマの聖地ニュルブルクリンク 市販車最速記録 「緑の悪魔」に挑んだ公道最速のマシン

公開 : 2023.09.30 18:05

2 – ポルシェ911 GT2 RS(マンタイ・パフォーマンスキット装着車) – 6:43:30

ポルシェのワークスドライバーであるラース・カーン氏に導かれたGT2 RSは、平均速度185km/h、従来の記録を4.747秒更新する6分43秒30でニュルブルクリンクを完走した。

記録挑戦車にはマンタイ・パフォーマンスキットが装着され、シャシー、ブレーキ、エアロダイナミクスが変更されている。中でもエアロは重要で、フロントスポイラーのフラップ、カーボンファイバー製アンダーボディ、フロントホイール周りのエアガイドエレメントなどが追加された。車両後部には、新しいスポイラー、改良型ディフューザー、エアロディスクが装備されている。全体として、200km/h走行時のフロントのダウンフォースは49kgから70kgに、リアのダウンフォースは93kgから200kgに増加している。

2 - ポルシェ911 GT2 RS(マンタイ・パフォーマンスキット装着車)
2 – ポルシェ911 GT2 RS(マンタイ・パフォーマンスキット装着車)

カーン氏はさらに速さを極め、2018年10月にはGT2 RS MRで6分40秒30という驚異的なタイムを記録している。実質的には同じマシンだが、サスペンションとエアロをニュルブルクリンク専用でセットアップした。とはいえ、公道走行が可能で、資金さえあれば誰でも購入できるアップグレードパーツが装備されていた。

3 – メルセデスAMG GTブラックシリーズ – 6:43:62

メルセデスAMGのフラッグシップ・グランドツアラーの究極バージョンが、ランボルギーニアヴェンタドールSVJからわずか1.3秒差で市販車ラップレコードの栄冠を勝ち取った。レーシングドライバーのマロ・エンゲル氏がドライブする最高出力730psのGTブラックシリーズは、オプションのトラックパッケージを追加した以外はノーマルのまま。調整可能なエアロ、キャンバー、サスペンションはすべてサーキット走行に最適化されていたが、メルセデスは記録挑戦時の気温が低く、路面状況も良くなかったため、コンディションは「理想的ではなかった」と主張している。

3 - メルセデスAMG GTブラックシリーズ
3 – メルセデスAMG GTブラックシリーズ

4 – ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ – 6:44:97

ランボルギーニは、アクティブ・エアロダイナミクスのアップグレードを使用して、アヴェンタドールをサーキットでの記録を塗り替えるレコードブレイカーに変身させた。V12エンジンを搭載したアヴェンタドールSVJは、6分44秒97というラップタイムでニュルブルクリンクの市販車記録を塗り替えた。これにより、ポルシェ911 GTS RSは当時の2位に後退した。

4 - ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ
4 – ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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