ニュルブルクリンク 前輪駆動車(FF)・四輪駆動車(AWD)最速記録 日本車も激戦繰り広げる聖地

公開 : 2023.09.30 18:25

6 – ルノーメガーヌRS 275トロフィーR – 7:54:36

ルノーは2014年、メガーヌRS 275トロフィーRという洒落たネーミングのモデルで、スペインのセアトから前輪駆動車の記録を奪った。通常のトロフィーをベースにした限定モデルで、ニュル最速を目指して設計されている。そのため、ルノーは通常よりも薄いガラス、カーボンファイバー製ボンネット、軽量フロントシート、リアワイパーとリアシートの省略によって130kgの軽量化を実現した。そうした努力の結果、ケータハムR500スーパーライトを上回る速さでノルドシュライフェを完走するハッチバックが誕生した。

6 - ルノー・メガーヌRS 275トロフィーR
6 – ルノー・メガーヌRS 275トロフィーR

四輪駆動車部門:1 – ランボルギーニアヴェンタドールSVJ – 6:44:97

ここからは四輪駆動車の最速記録を更新したマシンを紹介しよう。

ランボルギーニは、瞬時にトルクを伝達する電動パワートレインは記録更新に必要ないことを証明してみせた。四輪駆動・自然吸気のアヴェンタドールSVJは、ウラカン・ペルフォルマンテから発展させた巧みなエアロ・アップグレードにより、6分44秒97という驚異的なタイムを叩き出し、ニオEP9を王座から引きずり降ろした。

1 - ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ
1 – ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ

2 – ニオEP9 – 6:45:90

1回目の挑戦ではアヴェンタドールSJと日産GT-Rニスモに挟まれて4位につけたが、2回目の挑戦では四輪駆動車におけるトップの座を獲得。しかし、アヴェンタドールSVJの記録更新により銀メダルに落ち着いた。4基の内蔵電気モーターで四輪を駆動し、総出力は1380ps。この挑戦のために使用された特注タイヤが理由で、本来なら2位につくはずだった市販車ランキングから外れている。

2 - ニオEP9
2 – ニオEP9

3 – ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ – 6:52:01

ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテは、ニオEP9が2回目の記録走行に挑む前に四輪駆動車のトップに君臨していた。シビック・タイプRの前輪駆動車記録には50秒以上の差をつけている。現在、四輪駆動車部門では総合3位だ。

3 - ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ
3 – ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ

4 – ポルシェ918スパイダー – 6:57:00

ポルシェ918スパイダーの四輪駆動車ニュルブルクリンク・チャンプの座は、EP9、そして2台のランボルギーニに追い上げられて幕を閉じた。初めて記録を樹立した2012年当時、サーキット走行に適したヴァイザッハ・パッケージとロードタイヤを装着しただけで、過剰なものはほとんど身につけていなかった。

4 - ポルシェ918スパイダー
4 – ポルシェ918スパイダー

5 – ランボルギーニ・アヴェンタドールSV – 6:59:73

ランボルギーニ・アヴェンタドールSVの最高速度は、300km/h強しか出せなかった弟分のウラカン・ペルフォルマンテよりもはるかに速い325km/hを記録したが、最終的には車体のアジリティが勝敗を分けたようだ。

5 - ランボルギーニ・アヴェンタドールSV
5 – ランボルギーニ・アヴェンタドールSV

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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