ニュルブルクリンク 電気自動車(EV)・全カテゴリー歴代最速記録 ポルシェの栄冠

公開 : 2023.10.01 18:25

・難攻不落のサーキットとして恐れられるドイツのニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ。
・電気自動車(EV)と全カテゴリーを通して史上最速のラップタイムを記録したマシンとは。
・30年以上にわたって破られることのなかったポルシェ956の輝かしい記録。

電気自動車部門:1 – フォルクスワーゲンID.R – 6:05:336

この特集もいよいよ大詰め。ここからは、電気自動車(EV)としてニュルブルクリンク最速ラップに挑戦したマシンを紹介しよう。

フォルクスワーゲンが記録走行のために専用設計したID.Rは、米パイクスピーク・ヒルクライムでの歴史的勝利に続き、グリーン・ヘルでも史上最速のEVとなった。ドライバーのロマン・デュマ氏は、大きく改造されたシングルシーターに乗り込み、これまでの記録保持者よりも40秒速く完走し、その過程でポルシェのステファン・ベロフ氏が樹立した歴史的記録(後述)を塗り替えた。

1 - フォルクスワーゲンID.R
1 – フォルクスワーゲンID.R

2 – ニオEP9 – 6:45:90

ニオEP9は、本特集の前半で触れた通り、電動スーパーカーとして2度目の最速記録を樹立し、それまでのタイムを20秒近くも更新した。

2 - ニオEP9
2 – ニオEP9

3 – テスラモデルSプラッド トラック・パック装着車 – 7:25:231

従来のモデルSにカーボンシリコン製ブレーキ、グッドイヤーのスーパーカー3Rタイヤ、軽量ホイールを装着することで、テスラはその記録を10秒ほど短縮した。トラック・パックを装着したモデルSプラッドは、ポルシェ・タイカン・ターボSよりも約8秒速くニュルブルクリンクを周回する最速の市販EVとなった。

3 - テスラ・モデルSプラッド トラック・パック装着車
3 – テスラ・モデルSプラッド トラック・パック装着車

4 – ポルシェ・タイカン・ターボS – 7:33:00

ポルシェ・タイカン・ターボSは、2022年8月にモデルSプラッドをトップの座から叩き落とし、EVとして市販車のラップ新記録を樹立した。サーキット仕様のタイヤとアップグレードされたダイナミック・シャシー・コントロール・システムを備えたパフォーマンス・キットを装備していた。ポルシェによれば、このシャシー・コントロール・システムは「タイカンのすべてのシャシー・システムをリアルタイムで分析し、同期させる」という。

4 - ポルシェ・タイカン・ターボS
4 – ポルシェ・タイカン・ターボS

5 – テスラ・モデルSプラッド – 7:35:91

イーロン・マスクCEOは宣伝のチャンスを決して逃がすことはない。テスラはモデルSプラッドの市販EVラップレコードをデジタル電波に乗せた。マスク氏のTwitterによると、最高出力1020psのモデルSプラッドはノルドシュライフェを7分35秒909で走破したという。平均速度は165km/hだった。

5 - テスラ・モデルSプラッド
5 – テスラ・モデルSプラッド

6 – トヨタTMG EV P001 – 7:47:79

トヨタがTMG EV P001で王座を獲得したのは2011年のことだが、その記録は比較的最近まで破られることはなかった。110kg-mものトルクが記録達成に貢献したのは明らかだが、公道用タイヤでこの栄冠を勝ち取ったのだ。

6 - トヨタTMG EV P001
6 – トヨタTMG EV P001

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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