8月の英国自動車生産台数 半年ぶりに伸び悩む 電動車両は14か月連続で増加
公開 : 2023.09.29 06:25
・8月の英国の自動車生産、6か月続いた増加に歯止め。
・EV生産に向けた工場の改修、夏季休暇が原因。
・EV、ハイブリッド車など電動車両は伸びが続く。
依然として電動車両は好調
8月の英国の自動車生産台数は減少し、6か月間にわたる増加に歯止めがかかった。要因は、毎年夏に行われている工場の操業停止や改修にある。同月、英国内の工場から出荷されたのは4万5052台で、7月より3万1399台減少した。
英国自動車工業会(SMMT)の統計によると、昨年8月との比較で生産台数は4849台(9.7%減)減少した。
この夏、ステランティスのエルズミア・ポート工場は、次世代車の生産に向けて準備を進めていた。先月、シトロエン、フィアット、オペル、プジョー、ヴォグゾールの各ブランド向けの商用EVを生産するため、1億ポンドを投じて改修を行い、現在では操業再開している。
暗いことばかりではなかった。EV(電気自動車)とハイブリッド車を含む電動車両の生産台数は14か月連続で増加し(前年同月比2.8%増)、8月に生産された全自動車の36%を占めた。
全体で最も大きな打撃を受けたのは、国内市場向けの自動車生産で、前年同月比25.2%減の8010台となった。
同月生産台数の82.2%を占めた輸出台数も、5.5%減の3万7042台となっている。
8月以前の英国の自動車生産台数は、2月が6万9707台、3月が8万1605台、4月が6万6527台、5月が7万6046台、6月が8万4767台、7月が7万6451台と、6か月連続で前年同月を上回っていた。
現時点での2023年の累計生産台数は57万1671台で、前年同期比11.8%増となっている。これは、45万168台を記録した上半期の好調によるところが大きい。
SMMTのマイク・ホーズ代表は、8月の落ち込みは懸念材料ではないと述べた。「自動車メーカーは夏休みシーズンを利用して工場をアップグレード(改修)しています。これは次世代のEVを提供するという継続的なコミットメントの一環であり、これらのモデルはすでに記録的な台数が生産されています」
ホーズ代表は電動車両の生産台数の増加を受けて、2024年1月1日から施行される予定の厳格な製造規則である原産地規則について、英国とEUに最終的な合意を求めた。
「将来の投資を確保するためには、事業の確実性が必要であり、特に欧州と英国の両市場におけるEVの競争力を損なう厳しい原産地規則の延期に関する英EU間の合意と、英国内でのEV販売を強制する規制に関する英国政府の具体的な詳細が必要です」
「どちらも100日以内に開始される予定であり、2024年以降の事業計画や投資に不可欠です」