Sクラスやベンテイガへ迫る訴求力 レクサスLMへ英国試乗(2) 革新的なワンボックスの高級モデル

公開 : 2023.09.29 19:06  更新 : 2024.01.29 13:40

2.5L直4ハイブリッドで250ps 燃費は14.2km/L

英国仕様のパワートレインは、レクサスNXやRXと同じハイブリッド。試乗車の場合、2.5L直列4気筒ガソリンエンジンに、2基の電気モーターが組み合わされ、システム総合で250psを発揮する。

速いと表現できる動力性能は持ち合わせないが、乗用車的に加速はできる。四輪駆動では0-100km/h加速を8.7秒、前輪駆動は9.1秒でこなし、充分な瞬発力を備えている。

レクサスLM(欧州仕様)
レクサスLM(欧州仕様)

大柄なボディでありながら、市街地での取り回しも悪くない。グラスエリアは大きく、大きなサイドミラーが斜め後方の確認を助ける。最小回転直径は11.6mで、駐車支援システムも実装し、狭い駐車場での気遣いを減らしてくれる。

運転体験の足を引っ張っているのが、レクサスのハイブリッドらしくCVT。静かで滑らかな加速を得られる、理にかなった選択だとは理解できるが、登り坂や高速道路での追い越し時にはエンジンノイズが高まり、ラグジュアリーとは呼びにくい。

都市部を流れに合わせて走らせている限り、殆ど気にはならない。とはいえ、3t近くある車重が、2.5Lのハイブリッドには重荷なことは間違いないようだ。

エネルギー効率を高めるため、EVモードも用意される。その静けさを知ると、プラグイン・ハイブリッドや完全な電動パワートレインの方が、理想的な選択だったのではないかと感じることも否めない。

WLTP値での燃費は、14.2km/L。LMの車格を考えれば、驚くほどの効率といっていいだろう。

i7やSクラスベンテイガなどへ迫る訴求力

LMが、魅力的な高級車であることは間違いない。だが欧州の富裕層やご要人には、高級車は巨大なサルーンやSUVであるべき、というイメージが根強いことも間違いない。レクサスのワンボックスカーへ乗り換えようと考える人は、限定的だと思われる。

それでも、BMW i7やメルセデス・ベンツSクラス、ベントレー・ベンテイガなどへ迫る訴求力を筆者は感じた。革新的なラグジュアリー・モデルとして、LMは独自のポジションにある。1度、4シーター仕様のリアシートで過ごされてみてはいかがだろう。

レクサスLM(欧州仕様)
レクサスLM(欧州仕様)

レクサスLM(欧州仕様)のスペック

英国価格:8万9995ポンド(約1628万円)から
全長:5130mm
全幅:1900mm
全高:1945mm
最高速度:−km/h
0-100km/h加速:8.7秒
燃費:14.2km/L
CO2排出量:−
車両重量:−kg
パワートレイン:直列4気筒2487cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:−kWh
最高出力:250ps
最大トルク:24.2kg-m
ギアボックス:E-CVT

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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