V6ツインターボはMC20譲り マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオへ試乗 色気あるGT

公開 : 2023.10.16 19:05  更新 : 2024.01.24 10:48

シャシーの熟成度は先代以上 マセラティらしい魅力

モデルチェンジを経て、グラントゥーリズモは先代以上にシャシーの熟成度を深めている。グレートブリテン島を運転する場合は、スポーツ・モードがベストなようだ。

全体的なドライビング体験は、非常に魅力的。適度に豪華で、洗練されたグランドツアラーだ。パワフルなV6ツインターボエンジンがフロントに載り、リアアクスル主体の四輪駆動システムが、意欲的な走りを支える。

マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ(欧州仕様)
マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ(欧州仕様)

2代目ではエンジンやエグゾーストのサウンドが抑えられ、従来ほどドラマチックな聴覚体験は得られない。操縦性も落ち着きを増し、個性という点では角が丸められたといえる。それでも、マセラティらしい魅力は備わる。

インテリアは壮観に仕立てられ、優れた素材が惜しみなく用いられている。知覚品質は高く、ドライビングポジションも自然。人間工学的な不満は、殆ど感じないだろう。

シフトセレクターはダッシュボード側へ移動し、センターコンソールには大きな収納が確保され、とても便利。エアコンの操作系はタッチモニターに集約されているが、実際に押せるハードスイッチの方が望ましいと思う。

深さが足りないかもしれないが、奥行きのある荷室も備わる。リアシートには、平均的な大人が快適に座れる空間が確保され、4シーター・クーペとして使える。

筆者の身長は178cmあるが、この体型にフロントシートの位置を設定した状態で、問題なくリアシートへ座ることができた。頭上と膝前には、5cmくらいの余裕もあった。子どもなら不満が出ることはないはず。

現在の市場では希少な2ドアクーペ

マセラティ・グラントゥーリズモのように、優れた特長を複数備えた2ドアのビッグクーペは、現在の市場では希少な存在だ。色気のあるスタイリングに身を包んでいることも加味すれば、選択肢は非常に狭まる。

加えて、ガソリンと電気、2種類のパワートレインを選択できるという点も、大きな強みになる。円熟味を増した2代目は、初代以上の支持を集めるのではないだろうか。

マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ(欧州仕様)
マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ(欧州仕様)

マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ(欧州仕様)のスペック

英国価格:約16万ポンド(約2896万円/予想)
全長:4959mm
全幅:1957mm
全高:1353mm
最高速度:320km/h
0-100km/h加速:3.5秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1795kg
パワートレイン:V型6気筒2992cc ツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:550ps/6500rpm
最大トルク:66.1kg-m/3000rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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