運転の苦手な奥様が「モデューロX」を選ぶワケ 175台集合 熱いオーナー達と祝う10周年

公開 : 2023.10.03 22:45  更新 : 2023.10.03 22:50

ホンダアクセスの「モデューロX」シリーズが10周年! 支持される理由は、その良さを誰もが毎日感じ取れるから。イベントを取材してきました。

なぜ「群サイ」に集まるの?

ホンダアクセスが、「モデューロX 10周年記念オーナーズミーティング in 群サイ」を開催した。

ホンダ車の純正アクセサリーパーツを開発・製造・販売する、本田技研工業の連結子会社であるホンダアクセス。同社は「モデューロ(Modulo)」というブランドでエアロパーツやホイールなどを開発しており、そのパーツを装着したホンダ純正のコンプリートカー・シリーズを「モデューロX」として展開している。

S660を筆頭に、Nボックス、Nワン、ステップワゴン、フリード、ヴェゼル、フィットの各モデューロXオーナーが全国から集結。シリーズ誕生10周年を祝った。
S660を筆頭に、NボックスNワンステップワゴン、フリード、ヴェゼル、フィットの各モデューロXオーナーが全国から集結。シリーズ誕生10周年を祝った。    宮澤佳久

2013年1月、最初のモデューロXとして「Nボックス・モデューロX」が発売された。その後、Nワン、ステップワゴン、フリード、S660、ヴェゼル、そしてフィットの7モデルで展開され、今年で10周年を迎えた。

今年3月には代官山T-SITEで「10周年記念モーニングクルーズ」が開催されたが、今回は“モデューロXの聖地”ともいうべき群馬サイクルポーツセンターでミーティングが開催されることになった。

なぜ、群サイか? というと、開発アドバイザーである土屋圭市氏が、ここでテストを重ねてモデューロXを仕上げていったからにほかならない。

つまり、オーナーにとっては愛車で一度は訪れておきたい、まさに「聖地」なのだ。

北海道・九州からも集まった!

今回のイベントは事前エントリー制で、北は北海道、南はなんと長崎県から参加したモデューロXは合計175台、来場者数は323名。

その内訳は、Nボックスが5台、Nワンが13台、ステップワゴンが14台、フリードが15台、S660が113台、ヴェゼルが5台、フィットe:HEVが10台。

トークショーでは、S660のモデューロXは開発に2年も要したことが明かされた。「エスロクのオーナーは絶対にリミッターを解除するから!(土屋氏)」の号令で、リミッター超えの領域でも走りを楽しめるクルマに仕上げたという。
トークショーでは、S660のモデューロXは開発に2年も要したことが明かされた。「エスロクのオーナーは絶対にリミッターを解除するから!(土屋氏)」の号令で、リミッター超えの領域でも走りを楽しめるクルマに仕上げたという。    宮澤佳久

S660の参加車が圧倒的に多かったのは、やはり聖地=走りのイメージが強いのと、「血中モデューロX濃度(?)」が最も高いのは、S660のオーナーが多いということなのだろうか……。

とはいえ、最近はモデューロXの新型が発表されていない中でも、これだけの来場者が集まったことに“モデューロXオーナーの熱さ”を実感させてくれた。

イベントが始まると、モデューロXの開発アドバイザーである土屋圭市氏と、ホンダアクセス モデューロX開発統括の福田正剛氏、同 完成車性能担当の湯沢峰司氏によるスペシャルトークショーが行われた。

そこで力説されたのは、モデューロXは「タイプR」のような、サーキット走行を前提にしたハードなモデルではないこと。

みんなにメリット 「実効空力」

モデューロXは「助手席に奥さんやパートナーを乗せたり、リアシートには家族を乗せるクルマ」だ。

だから、駐車場から出て走り出したとき“ほんの15km/hくらいの速度で走っても安定感が分かる”、そんなクルマを目指している。

モデューロXの開発を率いてきた福田正剛氏(右)が、9月で定年退職を迎える。これからは、湯沢峰司氏(左)が熱き開発部隊を牽引することに。
モデューロXの開発を率いてきた福田正剛氏(右)が、9月で定年退職を迎える。これからは、湯沢峰司氏(左)が熱き開発部隊を牽引することに。    宮澤佳久

コンプリートカーとして、そういうクルマに仕上げるためにはエアロパーツ/サスペンション/ホイールなどトータルで開発を行うわけだが、モデューロXを語る上で必ず出てくる言葉がある。それが「実効空力(じっこうくうりき)」だ。

「実効空力」とは、簡単にいえば“日常の速度域でも体感できる空力効果”のこと。

たとえば自転車で走っていて、手を上げて風の強さを感じる程度の低いスピードでも、空力効果が得られるデバイスを開発している。つまり、レーシングスピードのような限界域でない速度でも、ノーマルとの違いを感じることができるのだ。

だから、モデューロXをダンナさんが契約したけれど納車は奥さんが引き取りに行って、帰りに乗っただけで「あっ、いいクルマ!」と感じられる。

ノーマルでは高速道路を走るのが怖かった奥さんでも、安心して高速をドライブしてアウトレットに買い物に行けるようになった、…とか、実効空力の良さを感じられるエピソードは多い。

記事に関わった人々

  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。
  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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