心から欲しい1台は? マセラティ・グレカーレ レンジローバー・ヴェラール ハイブリッドSUV比較試乗(1)

公開 : 2023.10.14 20:25

頭を使って効果的に走らせる楽しみ方

それが、プラグイン・ハイブリッドであること。駆動用バッテリーの容量は13.7kWhあり、急速充電能力は50kW。最長61kmを、内燃エンジンを回さずに走れる。環境次第では、ランニングコストが大きく違ってくる。

グレカーレはマイルド・ハイブリッド。こちらにも強みはあり、ベルトで駆動されるスターター・ジェネレーター(ISG)と、電動スーパーチャージャーが組み合わされ、高効率を叶えつつ動力性能を向上させている。

ランドローバー・レンジローバー・ヴェラール P400e ダイナミックSE(英国仕様)
ランドローバーレンジローバー・ヴェラール P400e ダイナミックSE(英国仕様)

電気だけでの通常走行は難しいものの、遥かに軽量。最高出力は329psで、レンジローバー・ヴェラールの403psと開きがあるが、車重は1895kgに対し2205kgで、パワーウエイトレシオは大きく違わない。

技術が進化したことで、筆者はハイブリッドが好きになった。刺激的ではないかもしれないが、非常に興味深い。頭を使って、効果的に走らせるという楽しみ方ができる。

AUTOCARの読者ならご存知かと思うが、多くのハイブリッド・モデルは、従来の内燃エンジンモデルよりエネルギー効率に優れる速度域が低い。また、熱効率の良いエンジンを停止して走行する場面でも、速度は低い方が空気抵抗を減らすことができる。

レンジローバー・ヴェラールで最もエネルギー効率が良い巡航速度は、55km/hから75km/hの間のようだ。実際の交通環境がこの速度域に近ければ、こまめに充電できないとしても、優秀な燃費を得られるだろう。

駆動用バッテリーが充電されていれば、駆動用モーターが力強く発進加速を処理する。高めの速度域でも、電気のアシストは明確に効く。充電量が減っても、低い速度域をまかなえるエネルギーが残るよう制御してくれる。

この続きは、マセラティ・グレカーレ レンジローバー・ヴェラール ハイブリッドSUV比較試乗(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

マセラティ・グレカーレ レンジローバー・ヴェラール ハイブリッドSUV比較試乗の前後関係

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