斬新ドア センチュリー採用 2つのワケ
公開 : 2023.10.05 12:20
スイングドアをセンチュリーに採用した理由
一般的なスライドドアには、前述したようにローラーが用いられている。そしてそのローラーは扉の上下と中間あたりに位置しており、スライドドア装着車のボディサイドにはそのローラーが通るレールが設置されている。
アルファード/ヴェルファイアのように上級ミニバンでは、うまくサイドウインドウとの間にレール部を設けるなどして目立たなくはしているものの、どうしてもボディ外観にレールが存在することは避けられない。
一方センチュリーは通常の生産ラインとは異なる仕上げラインを設定し、「几帳面」と呼ばれる精度の高いキャラクターラインを用いるなど美観にも拘っているため、スライドドアレールをボディ外観に設けるのは言語道断だったというワケだ。
そして上下にもローラーを備えるようにするとなると、その分ドア開口部を狭くするか、ボディ形状を改める必要があるが、これもセンチュリーという車両のキャラクターを考えれば選択肢から当然外れることになるワケで、スイングドアとなったのはある意味必然と言えるだろう。
またいくらセンチュリークラスの車両とはいえ、通常ドアとスイングドアでボディを作り分けるのも非効率であるため、モノコックボディは1種類で2つのドア形状を盛り込むための策ともなっていることは間違いない。
ただ、プレゼンテーション時の動きを見る限り、ショーファーカーに相応しい静かで無駄のない開閉動作をしていた。スイングドアのリンク形状は非常に凝ったものとなっていることは想像に難くなく、実際にこの仕様を追加で注文するときのエクストラコストがどのくらいになるのかは、庶民として気になるところである。