フォード・クーガ・タイタニアム
公開 : 2013.07.28 18:06 更新 : 2017.05.29 18:55
具体的には、先代よりもグッと落ち着きを増した印象。前後アクスルの回転速度差を拘束するチカラがどっかで(といっても4WDのトランスファークラッチぐらいしか考えられない)出ていて、それによるもの……と考えると納得できるような。いわゆるヨーダンピングがしっかり効いている感じ。あと新型クーガ、先代比、フロントのロール剛性が上がっている印象がある。でこれは、ハナ先=エンジンが軽くなったぶんの違いもあるかもしれない。
ご参考までに、スバルのDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)。センターデフの働きを制限するチカラをAUTOのほかに任意で変えられるヨンク。STiが手を入れたインプレッサSTIを運転すると、すごくよくわかることに、拘束力を最強=LOCKに、つまり直結ヨンクにいちばん近い状態にしても、タイトコーナーだろうとカンケーなくよく曲がる(方向転換なんかの場面でいわゆるタイトターンブレーキングは出る)。逆に、拘束力を最弱=FREEにすると、ヨーイングがフラッと出て──つまりヨーダンピングが足りなくて──コーナーでコワいことがしばしばある。要は、よく曲がるためにもヨンク(というか直結ヨンク度アップ)は必要だと。
もとい。クーガの話へ。クーガのヨンクシステムは、センターデフなし。リヤデフのところにあるトランスファークラッチをいっぱいまで強く圧着させると直結ヨンク。逆にいっぱいまで緩めたら、ほぼFF状態になる。欧州車のこのテではハルデックス製(電子制御油圧多板クラッチのタイプ)がポピュラーだけれど、資料にいわく“電磁クラッチ”。ということは非ハルデックス。どこ製かときいたら「フォード自社製です」。
こんな背の高いクルマなのに、やたらとよく曲がる。曲がりたがる。でも、元気よく走るとタイヤのグリップに上屋やアシが引っ張りまわされるような……そういう感じでは、こんどのクーガはなくなっている。先代のときは、「曲がり方面の特性が穏やかな17インチのほうが……」と思ったものだけれど、こんどのに関しては18インチ(しか運転していない)で何ら、問題なし。
それとステアリング関係。ちょっと前に出た新型フォーカスではEPS(電動パワステ)のデキにちょっと気になるところがあったけれど、そこも新型クーガ、問題なし。ポッコンと高〜いところに座らされている感じがなくなったこともあって、ますますがんがんトバせるクルマになった。がんがんトバさなくても、もっと安心して(あるいは、なんの「オヤ?!」も「ン?!」もなく)走れるクルマになった。ということで、メデタシ。
(文・森 慶太 写真・花村英典)
フォード・クーガ・タイタニアム
価格 | 385.0万円 |
0-100km/h | 9.7秒 |
最高速度 | 200km/h |
燃費 | 13.0km/ℓ |
CO₂排出量 | 179g/km |
車両重量 | 1720kg |
エンジン形式 | 直4DOHCターボ, 1595cc |
エンジン配置 | フロント横置き |
駆動方式 | 4輪駆動 |
最高出力 | 182ps/5700rpm |
最大最大トルク | 24.5kg-m/1600-5000rpm |
馬力荷重比 | 106ps/t |
比出力 | 114ps/ℓ |
圧縮比 | 10.0:1 |
変速機 | 6段A/T |
全長 | 4540mm |
全幅 | 1840mm |
全高 | 1705mm |
ホイールベース | 2690mm |
燃料タンク容量 | 60ℓ |
荷室容量 | 456-1653ℓ |
サスペンション | (前)マクファーソン・ストラット |
(後)マルチリンク | |
ブレーキ | (前)φ320mm Vディスク |
(後)φ280mm ディスク | |
タイヤ | 235/50R18 |