「輸出台数は最盛期の7~8割減です…」 ロシアで人気の日本製中古車 輸出禁止が強化された影響は #ニュースその後
公開 : 2023.10.22 18:00 更新 : 2023.10.22 19:26
落札額 過去最高から15%下落
8月9日以降の規制強化では排気量1.9L以上のガソリン/ディーゼル車やすべてのハイブリッドやEVなどのエコカーも輸出禁止となった。
2022年に日本からロシアに輸出された約20万台の中古車は金額だと約2500億円。経産省の試算によると、このうち1500億円が輸出禁止の対象になるという。
すでにこの規制は日本の中古車市場全体にも大きな影響を与えている。ロシアへの輸出規制強化によって8月末には中古車の平均価格は1年前と比べると7%近く下落した。
業者オークション大手のユー・エス・エス(USS)が9月5日に発表したデータでは8月の平均落札価格は前年同月比6.9%安の103万8000円。
2か月連続で前年同月を下回っており、USSで過去最高を記録した2022年9月(122万1000円)に比べると15%もの下落となっている。
8月 どれくらいの影響か?
ロシアへは日本で冠水車となった車両も多数渡っており、冠水車専門の修理業者がきれいに直して一般販売されている。
それは問題ないことだが、軍事転用を目的とした部品取り用であれば冠水車からそのまま部品を外して使うこともたやすいだろう。
このような経緯から、禁止対象の中古車がイッキに増え、中古車全体の平均価格が下落していることはわかった。
実際、ロシア向けの中古車輸出にはどれくらいの影響が出ているのか。
日本中古車輸出業協同組合佐藤博理事長いわく、「8月9日以降、ロシア向けの中古車は7〜8割減といったところ」とのこと。影響はかなり大きい。
また、ジェトロ(JETRO=日本貿易振興機構)欧州課に8月9日以降の日本からロシアへの中古車輸出状況を聞いたところ、以下のコメントを頂いた。
「直近7月までの対ロシア中古乗用車輸出は好調でした。3万2116台で前年同月比84.9%増でした」
「一方、今回の措置により輸出可能な車種が限られたことで、8月輸出台数(速報値)は1万2062台。前年同月比42.5%減です」
「今回の輸出禁止措置により中古車全体の6~7割が対象になるのではないかという話もあります」
「一方で、第3国を経由してロシアに輸出するという動きはあるようです」
「第3国経由での輸出についてですが、輸出台数第2位のUAE経由で入る可能性は考えられます。主な流通場所はロシア極東のため数量は限定的になるかもしれません」
「モンゴル経由は、輸送コストが高くなると思われます」