トヨタが、「クラウン専門店」をこのタイミングで開業する背景
公開 : 2023.10.07 15:15 更新 : 2023.11.01 00:33
トヨタが突如発表した「クラウン専門店」。なぜ、車種専門店が登場したのでしょう? 店舗に伺い、その理由と狙いを確認してきました。
「シン・クラウン」が本格スタート
トヨタは2023年10月6日、東京・六本木ヒルズで「CROWN STYLE TALK SHOW」を実施した。
これは16代目クラウン4車系のうち、2022年デビューの「クロスオーバー」に継ぐ第2弾となる「スポーツ」の注文開始も兼ねたイベントだ。発売は2023年11月頃。
同モデルはハイブリッド車だが、2023年12月にはプラグインハイブリッドの発売も予定している。
また、「セダン」を2023年11月頃、「エステート」を2023年度中に発売することを明らかにした。
さらに、メディアにとっても、またユーザーにとっても注目されるのが、クラウン専門店「THE CROWN」が全国で展開される点であろう。
これについてトヨタは、「新しいクラウンは、お客様の多様なライフスタイルに寄り添うブランド拠点が必要」との考え方を示した。
まずは 「THE CROWN 横浜都筑(ウエインズトヨタ神奈川)」と「THE CROWN 福岡天神(福岡トヨタ)」が2023年10月6日に開業。
このほか、2024年2月は愛知(愛知トヨタ)、2024年度に入ってからは東京(トヨタモビリティ東京)と千葉(千葉トヨタ)での開業を予定している。
そうした店舗でのクラウンブランド新展開のキックオフとして、六本木ヒルズで2023年10月7日~8日、4つのクラウン体験イベント「CROWN STYLE PARK」を実施しているところだ。
THE CROWN 横浜都筑店 じっくり視察
六本木ヒルズでの会見後、「THE CROWN 横浜都筑」を視察した。
場所は、新興住宅地の港北ニュータウン内である。
店舗デザインの基調は「和モダン」。交通量が多い道路側の建物外面には「格子」をモチーフとし、木のぬくもりを感じさせる雰囲気がある。正面玄関には、「CROWN」のエンブレムを描いた「のれん」がある。
「のれん」をくぐり、自動ドアを通り室内へ入る。
すると、右手は「軒(のき)」をイメージした空間が広がり、その前にクラウンが展示されている。
「軒」と称するように、縁側をモチーフにした着座スペースがあり、その前のクラウンが置かれた空間は「庭」のイメージである。
「軒」の内部の壁面には、初代クラウンにまつわる展示スペースや、トヨタ開発主査やチーフデザイナーが新型クラウンにかける熱い思いを紹介するデジタルサイネージを配置。
その先には大きな「樟(くす)」のテーブルがあり目を引く。
元々は、神奈川県内の小田原厚木道路の大磯パーキングエリアにあった大木で、そこから切り出した。樟には独特のカンファーの香りがある。
さらに奥には、和を強く意識した商談用の個室が並ぶ。
こうしたクラウンに特化した店舗空間で、クラウンに精通したコンサルタントがお客さまに寄り添って、お客様ひとりひとりのライフスタイルにあったクラウンを提案する。