約200台の『2気筒』が集合! ニキトウミーティング4を陰キャヒキコモリ記者が見てきた

公開 : 2023.10.12 21:02  更新 : 2023.10.12 21:18

多様性を見せるチンクファンのライフスタイル

このニキトウミーティング、広場に愛車を並べるいわゆる『置き系』のイベントですが、私が会場を取材していた朝一番から昼過ぎ頃までの間を見る限り、何かのイベント内プログラム的なモノはなく、参加者やビジターがそれぞれ好きなように歓談したり歩き回ったり、さらにはコスプレしたりとゆったりとした時間が流れていました。しかしながら、かつてコロナ禍前に私が取材に行っていたような置きイベントとはかなり雰囲気が違うように感じました。

2007年に登場した現行世代のフィアット 500シリーズは日本では2008年から販売されています。実に15年ものロングセラーで次期モデルの登場が間近であるにもかかわらず、ここ数年、新車の売れ行きを記録更新していると聞きます。市場にはお値段のこなれたユーズドカーも数多くあり、輸入車ファン以外の人々をも広く魅了しているのでしょう。実際、ホイールやマフラーなどのドレスアップ・チューニングパーツの選択肢も、2008年当時と比べるとかなり豊富になっており、輸入車系ショップやブランド以外にも国産車系の有名パーツメーカーまでもが500シリーズを手がけるようになってきました。

ノーマルからハードなチューニングカー、ドレスアップカーまで色とりどりのニキトウたち。
ノーマルからハードなチューニングカー、ドレスアップカーまで色とりどりのニキトウたち。    海老塚 構造

そうしたマスの拡大によりチンクファンの層が多様化し、従来のイタフラ輸入車系イベントとは少し異なる空気感を漂わせていたのかなと感じ、陰キャの記者には少し眩しいほどでした。多くの人々のライフスタイルの中に溶け込んだ現代のチンクエチェントが『ただのクルマ』ではなく、存在そのものがカルチャーとなる…そんな日が来つつあるのかもしれません。

孤高のパーツブランドMT-DRACO

あくまでもユーザー主導のアマチュアリズムが根幹にあるニキトウミーティングですが、同イベントの趣旨に賛同するショップやパーツブランドのブース出展もありました。今回私が本イベント会場を訪れたのはショップ枠で参加していた『MT-DRACO』からの強い要望によるものでした。

MT-DRACOがどういう背景を持つショップ(というかブランド)なのかは、AUTOCARスペシャルショップをご覧ください。要するに高田 実というクルマ大好きこだわりオジサンが『自分が本当に欲しい本物のパーツ』を、熟練の職人さんやトップカテゴリーの裏側で活躍するメーカーさんとコラボレーションして具現化するというプロジェクト。

MT-DRACOブースに並ぶ『MT-DRACOアンバサダー』のオーナーカーたち。ブースを訪れたイベント参加車との井戸端会議も弾んでいた。
MT-DRACOブースに並ぶ『MT-DRACOアンバサダー』のオーナーカーたち。ブースを訪れたイベント参加車との井戸端会議も弾んでいた。    海老塚 構造

一般的にクルマパーツとはマス・プロダクションですが、MT-DRACO製品はその対極に位置する存在です。結果として超小ロットで高価、非常に尖った内容のモノに仕上がるため、多くのヒトに刺さるとは言いがたいのですが、高田さんと波長が合ったのならとことんハマるパーツたちなのです。

イベント当日のMT-DRACOブースにオリジナルホイールやマフラーといったパーツと共に並ぶのはデモカー…ではなくて6台のオーナーカー! 要はお客さんのマイカーなんですが、高田さん曰く『MT-DRACOアンバサダー』の皆さん。

ノーマルよりわずかに低い地味めな車高のサスペンションにアイドリング領域では純正より静かなスポーツマフラー、純正サイズのホイール。インテリアに至ってはほとんどの車両がノーマル。会場内でもひときわ地味な一角であったといってもよい空間でしたが、それぞれのオーナーさんのこだわりでビ・スポークされたパーツたちの高い質感とこだわりのディテールが実に絶妙な雰囲気を放っているのです。そこに気付いたヒトたちが引き寄せられて来ると、高田さんやMT-DRACOアンバサダーのみなさんとの井戸端会議がいつ終わるともなく続いていました。

最近はイベントへも積極的に出店しているというMT-DRACO。10月28日(土)に富士スピードウェイで開催される『HKSプレミアム・トラックデイ』のアバルト595オーナーズミーティングにも参加されるそう。他人と被らないこだわりのチューニングに興味のあるフィアット/アバルト500オーナーさんは、高田さんとの井戸端会議にでも出かけてみてはいかがでしょうか。

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  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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